俺の愛するクソ姉貴 後編

 とにかく状況を把握しようと、俺と姉貴と志麻ちゃんはテーブルを囲んで座っていた。
 二人の言うことはやはり俺には理解しがたいものだったが、それでも俺は何とか時間をかけてこの異様な状況を現実のものとして受け入れようとしていた。
「えーっと、つまり……こっちが志麻ちゃん?」
 頭をポリポリかきながら姉貴を指差す。
 いつも俺をにらんでくる冷徹な顔がへらへら笑っているのはこの上なく滑稽だったが、それを言えばまた怒られてしまいそうだ。
「そーだよ、あたししま!」
「それで、こっちが姉貴?」
 ピンクのジャケットを羽織る小学生に目を向けると、志麻ちゃんは悔しそうに唇を噛んだ。泣きそうなのをぐっとこらえて俺を見上げる表情は七つの子供のそれではなく、すっかり大人びたものだった。見た目は子供、頭脳は大人ってこんな感じかね。
 俺は軽く息を吐いて椅子の背もたれに体重を預けた。まだ新しい木の椅子がギシギシと音を立て、俺の耳を不快にくすぐる。
「しっかし、入れ替わったと言われてもなぁ……」
「ちょっとあんた、まだ疑ってんの !?」
 志麻ちゃんに怒鳴られ、慌てて背筋を伸ばす。それにしても昨日まで可愛い顔して俺に懐いてた女の子がこんなに生意気になっちまって、おにーちゃんは悲しいですよ。いやわりとマジで。
 逆に姉貴はというと、先ほどから俺の隣で楽しそうに自分の胸や服をぺたぺた触っている。昨日飲み会に出かけたまま着替えておらず、黒のカーディガンと白黒チェックの暖かそうなスカート姿だった。化粧はすっかり崩れているが、まあ元からそんなに濃くはないし、気にするほどでもない。
「いや信じるけど……てか信じるしかないだろ。二人とも様子がおかしすぎるしさ」
 そこでカップを持ち上げ、口元で傾ける。熱い緑茶が食後の胃に染み渡った。
 二人の言う通り、姉貴と志麻ちゃんの心が入れ替わっているのは間違いないだろう。二人して俺をかついでいるとも考えられるが、それにしては演技が上手すぎる。姉貴が志麻ちゃんに、志麻ちゃんが姉貴になってしまったと考える方が俺には違和感がなかった。こんなの漫画やドラマの世界だけにしてほしいが、まあなってしまったものは仕方がない。
 俺は努めて冷静な口調で、黒髪の少女に言った。
「とにかく、元に戻る方法を探さないと」
「元に戻るって……どうすりゃいいのよ」
「そうだなあ。とりあえず頭でもぶつけてみる? 月並みだけど」
 志麻ちゃんは黙って首を横に振った。むっつりして真剣な眼差しで俺を見つめてくるロリ顔が意外と可愛い。
「そもそも今日、私と志麻ちゃん顔合わせてないのよ? 飲んで帰って不貞寝してて、起きたら隣の家でこの子のご両親と一緒だったんだから。もうビックリなんてもんじゃなかったわよ」
「うーんそうか、二人とも接触がなかったんだよな……」
 しかし何の原因もなくいきなり入れ替わるとは考えにくい。二人揃って幽体離脱したとか怪しい薬物を口にしたとか、何らかの原因があるはずなのだ。俺と志麻ちゃんは頭を抱えたが、いくら考えても解決方法は見つからなかった。

 そうこうしているうちに。
 ――ピンポーン……。
「あ、はーい?」
「こんばんは。すみません、うちの志麻がお邪魔してませんか」
 隣の家から志麻ちゃんのご両親がいらっしゃった。娘を引き取りに来たという。
 俺は玄関に立ったまま後ろを振り向き、黙って少女を見下ろした。
「…………」
「な、何よ大和。その目は」
「いやほら、ご両親が迎えに来たよ。姉貴」
 言うまでもないが、姉貴は志麻ちゃんになっているので、事情を知らないご両親はこの尊大女を実の娘だと思っている。
「ち、違うわよ! 志麻ちゃんはあっち!」
「そんなの通じる訳ないだろ? とりあえず今日のところは帰りなよ」
「志麻、早くお風呂に入って寝ないと、明日も学校でしょう?」
 今年から小学校に入った志麻ちゃんは真っ赤なピカピカのランドセルを買ってもらっていた。姉貴はそれを見て“あ〜可愛い、私もあの頃に戻りたいわ”なんて言ってたけど、まさか本当に小学生になっちまうなんて思ってもみなかっただろう。
 ちなみに姉貴になった志麻ちゃんは話がややこしくならないよう、奥に引っ込んでもらっている。
 という訳で両親に抱っこされてお隣に帰っていく志麻ちゃんを、俺は笑顔で見送ったのだった。

 食器を片付けて一息つき、姉貴はテレビの前でゴロゴロ寝転がった。仰向けになってだらしなく腹を上に向ける姿は珍しすぎる光景だったが、今はしょうがない。
 とりあえず姉貴になった志麻ちゃんには“今日はうちでお泊りだから”とだけ言っておいた。自分が別人になっていることを自覚してるのかしてないのか、彼女はにんまりうなずいてみせる。
「今日はおにーちゃんちにお泊りだー!」
 なんてはしゃぐ姿はとても違和感があるというか、ちょっと気持ち悪かった。
 とにかく何とか元に戻る方法を探さないと、このままだと――。
「あれ?」
 ここで俺は盲点だった思考回路の隙間に気がついた。
 姉貴の中身が無知で素直な子供と入れ替わってる今の状況。確かに姉貴になった志麻ちゃんは困るだろう。いくら見た目が大人でも中身がガキじゃ、まともな生活なんてできやしない。
 志麻ちゃんになった姉貴の方も、せっかく就職して人生これからってときに、ちんちくりんの子供になって人生をもう一度やり直すなんてご免だろう。
 だがそれ以外の人間――特に俺みたいな身内からすればどうだ?
 小さい頃から威張り散らして俺を虐げてきたあの悪魔がチビの幼児になり、真っ赤なランドセルをしょって小学校に通う。それで姉貴の体の方はといえば、無垢な少女の心が入って実に素直。俺が呼ぶと“なーにおにーちゃん?”とかいって笑い返してくれるんですよ。
 ひょっとすると、これは俺にとってすごく美味しい状況じゃなかろうか。何しろ今ここでゴロゴロしている姉貴の体は、俺に全く逆らわない無知状態。いくら好き勝手をしても怒られるはずがない。
 俺は自分が高揚していくのを感じながら、くつろいでいる姉貴の体に声をかけた。
「……志麻ちゃん」
「なーに、おにーちゃん?」
「遅くなってきたし、そろそろお風呂入ろっか。お兄ちゃんが一緒に入ってあげるよ」
 あどけない瞳で俺を見つめる姉貴。普段こんなことを言えば半殺し確定なのだが、今の姉貴は無力な赤子同然だ。素直に首を縦に振って喜んでくれる。
「うん! お風呂お風呂ー!」
 俺は姉貴の頭を撫でつつ、ひとり邪悪な笑みを浮かべていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

 浴室の隣で興奮を抑えつつ、手早く姉貴の服を脱がしていく。その間、姉貴は全く逆らわず俺にされるがままだ。完全に俺を信用しきっている。
 姿見に映ったレースの下着、そして自分の胸についた大きな二つの肉の塊に彼女は大いに驚いていたようだった。何しろ姉貴、性格は最悪でもスタイルは抜群だからな。
「ほら。志麻ちゃんは今、お姉ちゃんになってるんだよ」
「ホントだ、面白〜い! おっぱいぶるんぶるん!」
 楽しそうに飛び跳ねて露になった巨乳を揺らす。大きい癖に張りがあり、肌は白くて形も整った、かなりの美乳と言えた。中学のときからデカくなり始めてたけど、まさかこんなに育つなんてな。
 俺は全裸になった姉貴の後ろに回りこみ、ためらいもなくその乳房をつかんでやる。
「志麻ちゃん。大人のおっぱい、すごいだろ?」
「すごーい! すごく柔らかくて……ん、なんかくすぐったいよ……」
 エロオヤジのようにギュッギュッと姉貴の胸を揉みしだく俺。
 何とでも言え、これは復讐なんだ。二十年間姉に虐げられた哀れな弟の復讐なのだ。
 姉貴は抵抗もせず大人しく俺にでかい乳房を揉まれている。最初のうちは楽しそうにはしゃいでいた彼女だったが、しばらくそうするうちにだんだんと顔は赤らみ、吐く息にも甘いものが混じり始めていた。中身は子供でも体は大人の女、一人前に感じているようだ。
「んあっ、はあ……お、兄ちゃ、はあっ……あたし、変……」
 既に乳首はピンと立って程よくつまみやすくなっている。それを両の指で挟んでつねり上げる感触がまたたまらない。ちょっと強く挟んでやると、姉貴は声を上げてその場に膝をついた。
「あはあっ…… !?」
「ごめん志麻ちゃん、おっぱいで遊びすぎちゃったね。大丈夫?」
「はあ、はあっ……うん、大丈夫……」
 昔からそれなりにモテる姉だったが、やはりいい体をしている。本人はいつも体重を気にしていたが、それは長身でボリュームのある肉体だからであって、このくびれた腰といいしなやかな肢体といい、決して太っているようには見えない。胸も尻も肉づきがよく、実に男受けのする――しかも俺好みの――ボディと言えた。

 俺は素っ裸の姉貴を押し込むように風呂場に入り、そっと椅子に座らせた。
「志麻ちゃんは、いつも一人でお風呂に入ってるの?」
「ううん、お父さんかお母さんと一緒。頭洗ってもらうの」
「そう。じゃあ今日はお兄ちゃんが洗ってあげるよ」
 うなずく姉貴の頭に湯をかけ、シャンプーをつけてごしごししてやる。高校は校則の厳しいところだったから、髪を染められないってよくぼやいてたっけ。
 一部を除いてすっかり綺麗な茶色になった姉貴の髪を泡立て、俺の手が洗ってやっている。長い髪は洗うのがめんどいとよく言ってたけど、確かに手間がかかる。後始末も大変だろう。俺もところどころ尖らせた感じの黒髪だから、濡れるとかなり情けなくなるんだよな。
 そんな物思いにふけりつつ、再び湯をかけて洗い流す。
「……んっ!」
「志麻ちゃん、どうしたの?」
「だ、大丈夫。ちょっと目にしみただけ」
 そう、とうなずいてタオルで顔を軽くこすってやった。表情も仕草も実に素直で微笑ましい。まさに俺が好き勝手できる理想の姉貴だ。
 姉貴の長い髪を苦労の末にようやく洗い終えた俺は、今度はスポンジにたっぷりボディソープを塗りこみ、ごしごしそれを泡立てた。座る姉貴の後ろに膝立ちになり、じっとする彼女の腕をとって洗ってやる。
「志麻ちゃん、気持ちいい?」
「うん、あったかい」
 純真無垢な幼女に悪戯するともなれば心が痛むが、体はうちのクソ姉貴だ。全くもって問題ない。俺は下心満載で姉貴の体じゅうをこすり立て、隅々まで念入りに磨いてやった。残るは乳房とあそこだけ。なんで後回しにしたかは推して知るべし。
「じゃあおっぱい洗うからね。今の志麻ちゃんのは大きいから、念入りに洗わないと」
「うん……」
 泡のついたスポンジが優しく姉貴の体を這い回り、胸の膨らみをなぞっていく。
「あ……はぅっ……!」
 先ほどの愛撫で肌が敏感になっているようだ。軽く撫でただけでも声が漏れる。興奮を必死で抑えて乳房の先端、硬い突起をこすり立てると姉貴は声をあげて仰け反った。
「ああぁっ !!」
「志麻ちゃん……気持ちいい?」
 同じ質問をもう一度。今度はすぐには返事がなかった。
 左手で左の乳房を、右手のスポンジで右の乳首を丹念に刺激してやる。男に敏感な双丘をいじられる初めての快感に姉貴は喘ぎ、熱い呼吸を繰り返した。掌中で躍る塊は自在に形を変えながらも、俺が力を抜くとまたすぐに元の姿を取り戻そうとする。饅頭ともゴムとも違う、まさに生きた姉貴の肉を弄びながら、俺は愛情と劣情に頭を支配されていた。
「あっ……あんっ、ふあぁっ……!」
 可愛らしい姉貴の喘ぎ声。
 ……可愛いだって? このクソ姉貴が?
 いつも俺を罵り倒すこの口が、今は甘い声で気持ちよさそうに鳴いている。いつも視線を向けるだけで殴られるこの胸が、今は俺の思うがままに揉まれている。
 そう。いつも憎たらしくて仕方がないはずの姉貴が、今は可愛くて可愛くてたまらないのだった。
 姉貴の耳元にぼそりと囁いてやる。下も洗うよ、と。
「う、うん……」
 わかっているのかいないのか、彼女はためらいがちにうなずいた。もはや先ほどまでの明るい表情はどこにもなく、少し脅えたようにおどおどした態度ではあったが、だがその中にほんのわずかながら、未知の体験に期待するような素振りを俺は見逃さなかった。
 きっと頭の中では未熟な理性が肉欲の波に押し流されそうなんだろう。
 無理もない。昨日まで真新しいランドセルを背負って小学校に通っていた女の子が、いきなり二十歳過ぎの大人の女の体になって男に抱かれようとしているのだから。善人ならばチクチクと良心が痛むこの状況だが、生憎と今の俺にそんなものはなかった。
 座った姉貴の後ろから手を伸ばし、お待ちかねの秘所に這わせる。
「あ……」
 呆けた声も可愛いが、それ以上に艶かしさが強かった。太ももを押さえつつ泡の残ったスポンジで慎重に股間をこすり、反応を確かめる。
「大丈夫、志麻ちゃん?」
「うん、ダイジョブ……」
 乱暴にゴシゴシしたい衝動を抑えつけ、股の部分にたっぷりと泡を塗りたくる。陰部が充分に泡立ったのを確認すると、俺はスポンジを洗面器に放り込み、生の両手を差し出した。
「ここは特に汚いから、お兄ちゃんが手でしっかり洗ってあげるよ」
「え、そ、そう……?」
 そうだ。ここはこれから俺が存分に汚してやるところなのだ。ちゃんと洗っておかないと。黒い性欲に知らず知らず俺の顔が歪んでいき、声も低く暗くなる。
「そうそう。ちょっとくすぐったいかもしれないけど、痛くはないから大丈夫だよ」
「う、うん……」
 俺の腕が伸び、左右の指が姉貴の割れ目を押し開いた。そこから明らかにボディソープとは違う、糸を引く粘液が一筋垂れる。恐怖からか戸惑いからか、もしくは期待からか、姉貴の体は震えていた。
 大陰唇の内側、両の肉びらをこねるように指の腹でこする。指についた泡はぬめりを与え摩擦をスムーズに、そして柔らかくした。人差し指と中指でキュキュッと軽く、だが執拗に撫でる。まだ手をつけたばかりだというのに姉貴の背筋にゾクリとしたものが走った。
「ひあっ……ん、んん、あぁっ!」
 身を竦ませた拍子に馬鹿デカい乳がブルンと揺れる。
 初めての感覚――性器を愛撫される快感に振り回されているんだ。こないだまで幼稚園に通ってた子だ、まったく無理もない。しかしそれを意識しても俺の手はいささかも止まらず、むしろヒートアップしていく。
 小陰唇を広げ、熱を帯びた膣の中に指を一本差し入れた。
「やあっ! 何か入って――あ、ああっ、あっ!」
「中も洗わないと汚いよ? ほら、お兄ちゃんが指で洗ってあげるから……」
 後ろから姉貴にそう言い聞かせつつ、俺の手は彼女を苛み続ける。真っ直ぐ伸ばした指は第二関節まで中に埋まり、熱い肉に締めつけられた。蜜の量も順調に増え、淫らな音をたてるほどになっている。いくら生理的な現象とはいえ、この濡れ方はさすがにエロすぎるように思われた。
 姉貴の体が、俺の手で興奮してやがる――その思いに俺も高ぶっていく。
 指が淫靡に蠢き、女の肉をもてあそぶ。やがて俺の手は性器の上部、立ち上がりつつある肉の豆を捕捉した。濡れた指が包皮をこすり、中にある陰核を責めたてる。
「ひうっ !! そこダメっ、やぁ、やぁあぁっ !!」
 姉貴は背を反らし両手をバタつかせたが、何の抵抗にもならない。ただ椅子から落ちそうになり危なっかしいだけだ。
 膣内に侵入してくる俺の右手と、豆をしごく俺の左手。二点を同時に責められ、年端もいかぬ少女の精神が耐え切れるはずがなかった。
 カクンと上を向いてひときわ高い嬌声をあげ、熟れた肉体を跳ねさせる。
「……ああぁあぁぁあぁっ !!!」
 甘くて熱い声。本来は初潮も迎えていない幼女の、絶頂の愉悦だった。
 中もいい感じに締まり、突き入れた指をきつく挟み込んでくる。自然と俺の顔が綻び、姉貴のむっちりした胴を抱きしめた。
「あふ、あふうぅっ……ふぅ……」
「志麻ちゃん、大丈夫?」
「はあ、はあ、はあぁ……」
 男にイカされるという体験。あまりの刺激だったのだろう、姉貴は椅子に座ったまま俺にもたれかかり、ぐったりした体を緩ませた。意識があるのかも怪しいが、俺の忍耐もいい加減限界にきている。硬く張りつめた肉棒は姉貴の尻に当たり、汚らしい粘液を肌にこびりつけていた。
 ――駄目だ、もう我慢できねえ。
 姉貴の身を床に横たえ、後頭部を打たないように寝かせてやる。もちろんここは狭い浴室。長身の姉貴の体ではそうそう無理はできないが、俺がその下半身を抱えて持ち上げてやると何とかなりそうだった。
 両脚を開かせ、ぱっくり口を開けた陰部がよく見える形にした。下の唇から垂れるよだれが実に艶かしく、俺の股間をますます硬くさせた。
「はぁ、ふぅ……お、兄ちゃ……?」
 とろんとした目をこちらに向けてくる姉貴。自分が今から何をされるのかもわかっていない。このまま無言で犯してやってもよかったが、せっかくだし嘘の知識でも教え込むか。
 俺の口は自然と動き、優しい声で姉貴に語りかけた。
「志麻ちゃん。ここは汚れてるからさ、ちゃんと奥まで洗わないとダメなんだ」
「え、そ、そう……なの?」
「だからお兄ちゃんが、これで志麻ちゃんをキレイにしてあげるね」
 そう言って姉貴の太ももを両手で担ぎ、俺は女の中を突き進んでいった。
「あ……ああっ…… !?」
 猛りきった俺の肉棒が姉貴の膣へと侵入を開始する。熟れた肉壷が男のモノをくわえ込み、嬉しそうに蜜を垂らす。既にイった膣内は容易に俺を受け入れつつも、ヒダを絡めて竿と先とをしごき上げてきた。
「いや、何これぇ――へん、変だよぉっ…… !!」
「気持ちいいかい? 中をゴシゴシされるの、すごくいいだろう」
「ん、んあっ! あぁっ、あああぁっ!」
 先ほど絶頂を迎えたばかりの幼い心はキャパシティを超え、あられもない声をあげるだけ。陰茎が半分ほど埋まった俺の性器が円を描き、姉貴のそれをこねくり回す。
 俺だって経験がない訳ではないが、その俺に言わせても姉貴の中は最高だった。この肉のうねりといいツユの垂れっぷりといい、いずれも至高の快感だ。ねっとり棒を絡めとる膣壁がグニャグニャ蠢き、気持ちいいことこの上ない。
 姉貴のやつ……こんな名器を持っていたとは、やはり侮れない相手である。
 しかしいくら姉貴が凄くても、今はろくに九九もできないロリ頭。俺に犯されて訳もわからず本能で腰を振るこの姿、実にそそられる。
 あの姉貴が、俺にとっては恐怖の絶対君主そのものだったあの高飛車な女が、風呂場で俺のチンポを突っ込まれてよがっているなどと――。
 興奮と背徳の二重螺旋に巻かれ、俺は果てしなく高ぶっていった。
 腰を打ちつけ一番奥、女の最深部に亀頭を叩き込む。息を詰まらせる女体を抱え、ゆっくり肉棒を引き抜いてかき混ぜる。雁首を軽く中に引っ掛け、また突き当たるまで全速前進。
 ゴムもつけない生での挿入に俺も姉貴もゾクゾク背筋を震わせ、お互いを貪り合った。
「やあぁ……あたし、あたし――んっ、んんんっ !!」
「いいよ、志麻ちゃん……最高だ……!」
「はんっ! やあっ、あっ、ああぁんっ !!」
 甘い声、熱い息。温かな肉が俺を包み込んで離さない。同じ親から生まれた姉弟の肉体が、子作りのために激しく絡み合っている。
 子作り――頭をよぎるその言葉に、俺の理性が戦慄した。姉貴の危険日など俺が知るはずもないが、もし万が一にも今日だったら。そして生で挿入して姉貴の中をかき回している俺の息子が爆発したら。
 さすがにヤバいという思いと、いいからこのまま中出ししちまえという誘惑が俺の頭を挟み込み、良心と欲望の争いを引き起こした。
 姉貴は俺にがっちり腰をつかまれ、冷たい風呂場の床に仰向けで横たわっていた。その口から漏れるのは艶かしい嬌声、固定された身をよじり俺を求めてやまない。
「ひあっ、お、おにいちゃっ! はぁんっ、やあぁっ !!」
 キツい顔立ちもスタイル抜群の長身もいつもの姉貴そのまんま、だが目は虚ろで意思を失い、快楽の波に流されるまま息と唾とを吐き散らした。
 俺と繋がった結合部も腐りかけの果実のようにグジュグジュで、前後に動くたびいやらしい音を立てまくる。
「ひううっ! うあぁ、ああんっ !!」
「う――そろそろ、出るっ……!」
 姉貴の中で暴れ回る陰茎ももうすぐ限界、陰嚢が小さく痙攣して射精が近いことを知らせてきた。
 無論この時点で俺のわずかな良心が屈服していたことは言うまでもない。こんな女なんかに、誰が気を遣ってやるものか。
 俺の腕が姉貴の体を力の限り押さえ込み、張りつめた肉の槍を根元まで思い切り突き入れた。
 そして――。
「ああぁっ! ああっ、あっ、ああぁっ…… !!」
 姉貴の呼吸が止まり、汗ばんだ体が緊張と共に縮こまった。それと同時に熱すぎた膣内が収縮し、絡みついたヒダが竿をきつく締め上げる。
 たまらない姉貴のイキっぷりに俺も問答無用で絶頂を強制され、白い光が頭の中に広がった。
 ――ビュル、ビュルルッ、ビュルルルルルゥッ !!
 一体どこから出てくるのかと疑問に思うほどの精液が姉貴の膣内に注がれていく。二十年間積もり積もったこの女への鬱憤――それが今解き放たれて、遠慮なく胎内を突き進む。
 後悔や罪悪感など欠片もなく、俺は快楽と満足の真っ只中にへたり込んでいた。
「ふう……」
 ようやく尿道の汁が止まり、息を吐いて萎えた肉棒を引き抜く。その拍子に肉のついた女体が痙攣し、ぽっかり口の開けた肉壷から白い濁りが溢れ出した。
「あ、ああ……あっ、あひっ、あひぃ……」
 だらしなく開いた唇からよだれを垂らし、半死半生の体で喘ぐ姉貴。何とも妖艶で綺麗な、そして可愛らしい姿だった。
 初めて見る姉貴のアヘ顔。その魅力は俺の乏しい語彙では表現不可能である。生唾をゴクリと飲み込み、股間のモノが再び硬度を取り戻す。
 ――もう一発ヤっちまったんだし、あと何回しても一緒だよな……。
 雄の本能を突き動かされた俺は、再度姉貴の腰をつかみ、蜜の滴る陰唇に自分自身をねじ込んでいった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

 街が夜の帳に包まれる頃、俺はいい気分で帰り道を歩いていた。
 ここは閑静な住宅街、立ち並ぶ家の隙間に細い道路が網の目のように張り巡らされている。無愛想なコンクリートの塀もアスファルトの道路も、今の俺には輝いているように見えた。
 そう、俺は素晴らしく上機嫌なのである。音程の外れた鼻唄が無意識のうちに流れ出すほどだ。
「ふはははは、もうすぐ家だ! パパ今帰るからなーっ!」
 すれ違った二十歳ほどの女が俺を見るなりビクッと震えてダッシュしていったが、気にしてはいけない。階段をスキップして駆け上がり、俺は団地の三階、狭いながらも楽しい我が家にたどり着いた。
 ドアを開けるのももどかしく、大声を出してしまう。
「たっだいまー!」
「あ、おかえりなさーい!」
 玄関に顔を見せたのは黒髪を肩まで伸ばした若い女だった。灰色縞模様のワンピースと青いデニムパンツという装いで、花柄のエプロンと笑顔が何とも愛らしい。
 靴を脱いだ俺が腕を伸ばしてその身を抱き寄せると、同じく俺を抱き返して唇を重ねてくる。
「んっ……今日もいい子にしてたか?」
「うん。あたしもいずみもいつも通りだよ」
 そうかそうかとうなずいて抱きしめる。長身だが肉づきは悪くなく、抱き心地は素晴らしい。
 この女の名前はよしの、由乃と書く。俺の愛する女である。俺は名残惜しくも由乃の身を離し、カバンを渡して室内に足を踏み入れた。
「いずみ、ただいまー!」
「パパおかえりー!」
 和室でゴロゴロ転げまわっているのは俺の娘、今年で三つになるいずみだ。これがまた親馬鹿一直線になるほど可愛いのだが、残念ながらその詳細は省略することにする。一度この愛娘について語り始めると止まらないのは、自分でもよくわかってるからな。
 俺の視線は娘の隣、いずみを見つめて座っている少女に注がれた。紺のブレザーとチェック柄の赤いスカート、今年中学生になったばかりの少女は長い髪を光沢のある茶色に染め、ケータイを片手に俺の娘の相手をしていた。楽しいときでもそうした素振りは見せないのがいかにもこいつらしい。
 俺は余裕のある笑みを浮かべ、その女の子に話しかけた。
「なんだ姉貴、また来てたのか」
「何よその言い方、来ちゃ悪いの?」
「いや、いずみが喜ぶからいいけどさ……いつもいつも面倒見てもらって悪いなあと思って」
「別にいいわよ。一応、私の子供なんだから」
 そう言って志麻は寝転がったいずみの髪を撫でてやった。少しぎこちない表情がまだ昔を引きずっているが、まあそれは仕方がない。こうして現状を受け入れ前向きになってくれたのだから感謝すべきなのだろう。
 そのとき由乃がおタマ片手に俺たちの会話に割り込んできた。
「みんなー、ご飯できたよー!」
「ママー!」
 立ち上がって由乃に飛びつくいずみ。そのあどけない仕草といいサラサラした黒髪といい、幼いながらも整った目鼻立ちといい、鼻血が出るほど可愛らしい。
 志麻も抱き合う二人の姿に目を細め、後ろで羨望の視線を送っている。俺はそんな志麻の手を取り、爽やかな顔で食卓へといざなった。

 俺と由乃は家族ではあるが夫婦ではない。事情を説明するとややこしくなるが、戸籍上は血の繋がった実の姉弟ということになっている。
 その二人がこうやって一つ屋根の下で仲睦まじく暮らし、あまつさえ子供までもうけている。親戚どころか知人友人全員にドン引きされた俺たちだが、夫婦仲は極めて良好だ。
 困ったのが姉貴――というか、志麻の体になった姉貴――である。
 何しろ自分の体を勝手に奪われ、代わりの肉体は何の力もない小学生の女の子。そして元の体は中身が無知な幼女であるのをいいことに、俺にあれこれ性の知識を吹き込まれてすっかりその虜になってしまい、挙句の果てに孕まされたとなれば軽く絶望できるレベルだろう。あの頃の姉貴の様子を思い出すと可哀想になるが、それも最近は随分とマシになったと思う。
 一つにはもう元には戻れないと割り切ったこと、もう一つはやはり娘のいずみの存在に違いない。最初は遠慮がちに触っていただけだった姉貴も、だんだんいずみが大きくなるにつれて可愛がるようになり、今ではすっかり面倒見のいいお姉さんになっている。
 ただ、やはり元の性格は直らないのか、強気で派手な格好ばかりなのが気にかかるが。まだ中一だというのに男漁りが趣味では志麻の両親に申し訳が立たない。

 テーブルにつき、熱々のエビフライを口の中に放り込んだ姉貴が笑う。
「ん、おいしい! 志麻ちゃんも随分と上達したじゃない」
「えへへ、ありがとー! 大和さんのために頑張ってるんだ!」
「ほら大和、何か言ったらどう? 今のあんた、むかつくくらい幸せもんよね。知らない人が見たら、実の姉に手を出して子供まで作っちゃった人間のクズだけどさ」
 この姉貴の言い方にもすっかり慣れた。事実は事実ではあるし、それに姉貴も最近丸くなって冗談混じりの口調でしか言わないからだ。直接は答えず、俺はビールをちびちびやりがなら少女に問いかける。
「なあ姉貴、姉貴も明日から連休だろ? 今日は泊まってけよ、家には電話しといてやるからさ」
「そう? じゃあそうするわ。こっちにも着替え置いてるしね」
「せっかくだし夜、俺とこいつが一戦交えるのを横で見とくか? そろそろ二人目欲しいんだけど」
「ばっ……! 馬鹿言うな、この馬鹿! そんな気持ち悪いもの――」
 真っ赤になって唾を飛ばす姉貴は、見た目の歳相応に可愛らしかった。

 とまあこんな訳で、俺たちは奇妙に歪みながらも平和で穏やかな毎日を送っている。俺と由乃といずみと志麻と。俺と由乃の頑張り次第で家族がもうちょい増えるかもしれない。
 姉弟揃って勘当されるわ親戚の集まりには一切呼んでもらえないわ、友達つき合いには困るわで多少不便な面もないではないが、この幸せに比べれば些細な問題であろう。
 俺と姉貴の愛の結晶、いずみの小さな体を抱っこして幸せにひたる俺に後ろめたさは微塵もなかった。


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