ミユとミユママ 後編

 夜、二人用の大きなベッドで寝てた私は、体が重くて目が覚めた。
 寝転がった私の上に、黒い影がのっかかってた。びっくりした。
「え !? え、な、なにっ !?」
 部屋の電気は消えてて、黄色い灯りがぼんやり照らしてるだけ。薄暗い。
 だから相手の顔は影になってて、最初はわかんなかった。
 でもその人が私の耳元にぼそっとつぶやいてきて、ようやく誰だかわかった。
「ミユ、大丈夫だ。怖がらなくていいよ」
「お、お父さん……?」
 ベッドの上で私をプレスしてるのは、隣で寝てるはずのお父さんだった。
 見上げる私の頭をぽん、ぽんってなでて、笑いかけてくる。
「いきなりだったからびっくりしたろ? でも泥棒とかじゃないから、安心して」
「うん。でもびっくりしたよ」
 だって、お父さんが知らない男の人に見えちゃったんだもん。すごく怖かった。
 でも、相手がお父さんってわかって少しは安心したけど、どうしてお父さんが私にこんなことするんだろ。わけわかんない。
 目をぱちぱちさせる私に、お父さんは普段と同じ、優しい顔で言った。
「ミユの体、お母さんのと入れ替わっちゃっただろ? だから今のミユはおっぱいが出るし、こんな大人の服だって着れる」
 お父さんの大きな手が、パジャマの上から私のおっぱいをさわさわ触ってくる。
 変な触り方だった。もむような、なでるような、今まで私がされたことのない触り方だ。
 私は知らなかったんだけど、このパジャマ、ネグリジェっていうんだって。エプロンみたいな肩紐があるけど、布地はスケスケで、しかも首とか肩はむき出しだ。
 変なカッコだけど、うちのお母さんはこういうのしか持ってないからしょうがない。
 お父さんは片手でおっぱいを触りながら、ネグリジェの中にもう片っぽの手を入れてきた。
 太ももをつつっとなでられて、私は大きな声をあげた。
「やっ !? 何するの、お父さん!」
「あんまり騒ぐなよ。ユウキが起きちゃうだろ?」
 お父さんは私を押さえつけて、太ももとかお腹を触ってくる。
 形が崩れないようにつけていたブラジャーがずらされて、おっぱいが寒そうに顔を出した。
 お父さんはゴツゴツした手で私のおっぱいをモミモミってすると、じわっとお乳の漏れてきた先っちょにかみついた。またびっくりした。
「お、お父さんっ……!」
「ミユのおっぱい、おいしいよ。これを毎日飲めるなんて、ユウキは幸せ者だなあ」
 お父さんは私のおっぱいに吸いつくだけじゃなくって、首筋にチュウしてきたり、口の中で乳首をベロでつんつんしたり、やりたい放題だ。
 すごく怖い。お父さんにこんなことされるのも怖いけど、それよりも、それで私の体がカッカって熱くなっちゃうのが、もっと怖かった。
 無理やりネグリジェを脱がされて、パンツもブラジャーも取られてしまう。
 裸になった私の体をじーっと見て、お父さんがごくっとツバを飲み込んだ。
 赤ちゃんを産んで、まだあちこちにお肉がついたままの柔らかい体。
 ぶるぶる揺れるおっぱいと、ボーボー黒い毛が生えたお股。それも全部私のなんだ。
 私は恥ずかしくて顔じゅうが熱くなって、お父さんに聞いた。
「なんで? なんでお父さん、こんなことするの……?」声が震える。
「だって今のミユは、お父さんの奥さんだろ?」
 お父さんが私のわき腹をすりすりなでて、言った。
「夫婦だったら、こういうことするのは当たり前なんだ。だから奥さん初心者のミユに、お父さんが今から色々教えてあげるよ」
 その、劇のセリフを暗唱するみたいな言い方に、私は気がついた。
 これもあのお兄ちゃんのしわざだ。お兄ちゃんがお父さんに、変なことを吹き込んだんだ。
 でも、あのお兄ちゃんのせいだってわかっても、私にはどうすることもできない。
 またおっぱいをモミモミされて、乳首を爪でひっかかれる。また声が出た。
 そしたらお父さんの指にミルクがついちゃったみたいで、お父さんはその指を私の口に突っ込んできた。なめろって言われた。
 アゴを親指と中指で挟んで、人差し指をお口にじゅっぽじゅっぽ。苦しい。気持ち悪い。
 涙目でお父さんの指をなめさせられる私を見て、お父さんが微笑んだ。
「ああ、やっぱりミユは可愛いなあ。しかも首から下は母さんのムチムチボディ……」
 かーたまらん、なんてお父さんが言ってると、今度はお母さんが部屋に入ってきた。
「もう、お父さん。私だけのけ者にしないでよ」
「お、なんだ。お前も参加するか?」
「ええ、ミユ初めてでしょ。色々教えてあげないと」
 お母さんはベッドに上がってきて、ピンクのパジャマを脱ぎだした。
 ハートマークがプリントされた可愛いパンツも脱いで、ぽいっと床に投げ捨てる。
 キレイだってみんなから羨ましがられるお母さんの顔の下に、子供の私の体があった。
 なんか肌がつるつるしてて、色も薄い。おっぱいだって今の私みたいにおっきくなくて、あるかないかもわかんないようなちっちゃな丸が二つ、ちょん、ちょんってついてた。
 お股にも全然毛が生えてない。ぴったり閉じたちっちゃな割れ目があるだけ。
 ついこないだまで自分のだった体なのに、こうして見ると違う人のものみたいだった。
 裸になったお母さんに、お父さんは呆れた声で言った。
「母さん、別に脱がなくていいだろ……。どうせそっちには何もしないぞ」
「あら、そう? うーん、残念」
 お母さんは自分の体をまじまじ見つめて、胸やお股をぺたぺた触った。
 そして悔しそうな顔で「あん、やっぱり駄目ね。あと数年は待たないと」なんて言う。
 何のことだか私にはさっぱりわかんない。わかんないけど、なんか背中がゾクゾクした。
 お母さんは自分の体をなで終わると、今度はお父さんとチュウを始めた。
 お父さんの首に腕を回して抱きついて、思いっきり口と口とをくっつける。
 そのまま二人は、唇をむしゃむしゃ食べたり、ベロをくっつけたり、私が知らないやり方のチュウを頑張ってた。
 ツバの音に混じって、「んふっ、んふぅ」って鼻息が聞こえてくる。
 親子くらい体の大きさが違うお父さんとお母さんのチュウを、私は横でぼーっと見てた。
 二人のベロがくっついたり離れたりして、ツバが糸を引いてぷつって切れる。
 お父さんの後ろ頭をぎゅうって抱いてチュウをするお母さんは、まるで知らない人みたい。
 長かったチュウが終わると、お母さんはハイハイのカッコで私の方にやってきた。
 そのまま私の太ももに手をかけて、チリチリした毛がいっぱいのお股に顔を近づけた。
 何をするんだろう。何をされるんだろう。ドキドキが止まらなくて怖かった。
「ミユ、足開いて」私は逆らえなくて、言うとおりにする。
 お母さんは私のおしっこするところに鼻を当てて、クンクン匂いをかいだ。
 指でボーボーの毛をかき分けて、穴のとこをクチュクチュって触る。
「あ――やだっ、やっ」
 私が声を出すと、お母さんはますます激しく、私の穴をかき回した。おしっこする汚いところなのに、楽しそうに指を入れてホジホジしてくる。
「ミユはお母さんの大きなお腹を見てたから、知ってるわよね。赤ちゃんはお母さんのお腹に入ってるの。ユウキもそうだったでしょ」
「あっ、んんっ、やめてっ」
 お父さんが後ろから私の体を抱きしめ、おっぱいをもみほぐす。そしたらまたミルクが出てきて、お父さんの手と私の肌を汚した。
 イヤイヤする私をほうって、お母さんが話を続けてくる。
「それで赤ちゃんはね、お股のココから産まれてくるの」
 お母さんが、私のお股に顔をグリグリ押しつけた。
 割れ目を両手で広げて、中のお肉をペロペロなめる。
 私はお母さんの話なんてまるでわかんなかったけど、その部分はおもらしでもしたみたいにビチョビチョになってた。
「んんっ、ミユぅ……」お母さんのベロが私の中に入ってくる。
 ダメなのに。私、自分が何されてるか、全然わかんないのに。
 なのに私は体全部が熱くなって、二人に変な声を聞かせ続けた。
 おっぱいの先っちょは汗みたいにだらだらミルクを垂らしてるし、お股の穴はおしっことお母さんのツバでビチョビチョだし、ホントにひどい。
 クラスで汚い子選手権とかやったら一位になれそうなくらい、今の私はドロドロだった。
 顔じゅうベトベトになった汚いお母さんが、私を見上げて笑った。
「ミユ、可愛いわ。私たち、ミユのことが大好き」そして私のおっぱいに吸いつく。
「んああっ! やめて、吸っちゃダメぇっ!」
 後ろにいたお父さんもそれを見て、私の体の前に回る。
「お父さんももらおうかな。ミユのミルク」
 私は二人に押し倒されて、両方のおっぱいをチュウチュウ吸われた。
 お父さんとお母さん、私の大好きな二人が、ユウキみたいに私のお乳を飲んでる。
 こんなのイヤなのに、私のおっぱいはミルクを出しちゃう。止めたいけど止まらない。
 痛くて泣いても、二人はおいしいおいしいって飲み続けた。ゴクゴク飲んだ。
「う――うう、ひっく、えぐっ……」
 私は泣いた。泣きじゃくることしかできなかった。
 メチャクチャひどいことされてるのに、体が熱くてムズムズするのが怖かった。
 たっぷり私のミルクを飲んで満足したお父さんとお母さんが、私の汚い体をニヤニヤ顔で見下ろした。私は涙が止まらない。
「じゃあ、そろそろ……」
 お父さんがズボンの中をごそごそした。
 そしたらそこから、黒くてぶっといキノコみたいなのが出てきて、私は悲鳴をあげた。
 男の人にあって、女の人にないもの。お父さんのお股についてるもの。
 おちんちんって言うんだって。ぐにゃって曲がって伸びてて、すごくブキミだった。
「母さん、ちょっと頼む」お父さんが言った。
「ええ、いいわよ」
 お母さんは、お父さんのおちんちんをぎゅっとつかんで、まるでアイスクリームでもなめるみたいに、ペロペロなめだした。
 先っちょをひとなめして、唇で挟んでハムハムする。くわえて飲み込んでく。
 お父さんがお母さんの頭を両手で押さえて、前と後ろにユサユサゆすった。
 そのたびにおちんちんがお母さんの口の中を出たり入ったりして、激しく動く。
 お母さんはとろんとした目で、お父さんのおちんちんをずっとしゃぶってた。
「…………」
 私はもうびっくりすることも忘れて、ヘナヘナになってへたり込んでた。
 いったいお父さんとお母さんは何をしてるんだろう。
 腕はガクガク震えるし、汗も涙もさっきから止まらないし、それにおっぱいからは飲み残しのミルクが垂れて、私の肌に絵を描いてた。
 私はどうしたらいいんだろう。泣きながらお父さんとお母さんを見てると、いきなり私の横から声が聞こえてきた。
「大丈夫だよ、安心して」
 あのお兄ちゃんの声だった。
 でも、どこにもお兄ちゃんはいない。声だけが聞こえてくる。どこまでも不思議なお兄ちゃんだった。
「お父さんもお母さんも、ミユちゃんのことが大好きなんだよ。その二人がミユちゃんに変なこと、ひどいことをするわけないじゃない」
 お兄ちゃんの声はとってもキレイで、聞いてて気持ちがよかった。
「だから安心して。皆で仲良く、気持ちよくなろう。君たちが今やってることは、とっても素敵なことなんだから」
「仲良く……気持ちよく……」
 お兄ちゃんの言葉が心の中に入ってくる。
 とってもあったかくて、とっても気持ちよくて、最高の気分だった。
 私はうんうんうなずいて、お父さんとお母さんに話しかけた。
「お父さん、こっち来てぇ。ミユにさっきの続きしてよぉ」
 私の声に、お父さんはこっちを向いてにっこり笑うと、お母さんの口からおちんちんを引き抜いた。黒いバナナはツバでベトベトだった。
「いいよ、ミユ。こっちも準備オッケーだ」
 お父さんが仰向けになった私の腰をぐっとつかんで、狙いを定める。
 上を向いたおちんちんは爆発しそうなくらいに膨れて、ビクビクしてた。
 お父さんが腰を突き出して、おちんちんを思いっきり私のお股に突っ込んだ。
 お肉をグニュグニュってかき分けて、お父さんのが奥まで入ってくる。
 あんなに太くて大きかったおちんちんを、私の穴はラクラク飲み込んでしまった。
「ひああっ !? な、なに――コレなにぃ…… !?」
「どうだ。気持ちいいだろ、ミユ」そう言って私の体を揺らす。
「あっ、あんっ、あああっ! ひィっ !!」
 おしっこするところみたいだけど、ちょっと違う気もした。
 とにかく私の体の中に、お父さんのがギュウギュウめり込んでる。
 ただ入れただけじゃなくって、腰を引いたり押したりして出し入れする。
 さっきのお母さんのときと同じ、激しい動きだった。
 引いた拍子で抜けそうになって、先っちょが中のお肉に引っかかる。
 それでまた奥まで入れて、ズニューって突き刺してくる。
 じゅぽじゅぽ音をたてるお肉がこすれて、すっごい気持ちいい。
 お父さんとこんな気持ちいいことができるなんて、夢みたい。サイコーだ。
 私は嬉しくて泣きながら、気持ちいい声をたくさん出した。
「ああっ! あんっ、ひううっ! あひぃっ、しゅごいぃっ!」
 おっぱいがブヨブヨ揺れる。ボンボン弾む。肌が引っ張られる。
 私のお股――こないだまでお母さんのものだった、私を産んだ私のお股。
 そこをお父さんにパンパン突き刺されて、私は嬉しくてしょうがなかった。
 食いしばった歯の隙間からツバが飛んで、また落ちてきてほっぺたにかかる。
 目を閉じてアンアン言ってると、いきなり口の中に何かが入ってきた。
 薄目を開けて確かめたら、お母さんが私にのしかかってチュウをしてた。
 私の口をこじ開けて入ってくる、お母さんのベロ。
 上はお母さんと、下はお父さんと繋がって、私は大喜びだった。
「はふぅ――んんっ! んっ! んむぅっ!」
「ああ、最高だっ! 良すぎるぞ、ミユっ!」
 お父さんが片手だけ伸ばして、私のお股を触ってくる。
 穴の近くにある何かをギュっとつままれて、私の息が止まった。
「ひあ――んんんっ !?」
 声をあげようとして、お母さんの口に邪魔される。
 お母さんの熱いツバがたっぷり私の中に入ってきて、もっと苦しくなった。
 深いところをグリグリかき回すおちんちんが、私の頭を爆発させる。
 気持ちいいって言葉さえ、どこかに飛んでっちゃう。
 ダメだよ。こんなの激しすぎるよ。私が私じゃなくなっちゃうよ。
 私、ミユなのに、ミユじゃなくなっちゃうよ。どうしよう。
 でも私の体は――もう私のものになった私の体は、頭のてっぺんから足の先までビリビリ電気が走ったみたいになって、全然収まりそうになかった。
 もうこのまま、最後までいっちゃうしかないみたい。
 でも、不思議だけど、今の私はそれがちっともイヤじゃなかった。
 お父さんが私の左足をぐいっとつかんだ。
 おちんちんを入れたまま、私の足を、犬がおしっこするみたいに高く持ち上げる。
 ズン、ズンってお父さんのが私の奥にめり込んで、奥の奥まで突き刺した。
 恥ずかしさもイヤな気持ちも全然なくて、もう私はサイコーの気分だった。
 キュウウンって体が締まって、ホントにわけがわかんなくなる。
 何も見えなくなって、何も聞こえなくなって、自分が何言ってるかもわかんなくなる。
「――――! ――――っ!」
 ダメだ。もうホントに、ダメだ。ダメなのがわかった。
 お父さんも私と同じでダメみたいで、ハアハア苦しそうに言ってくる。
「いくぞミユっ! お父さんの、いっぱい出してやるからなっ!」
 私はうん、うんってうなずく。うなずいた気がした。
 そしてお父さんのおちんちんが、私の中でどーんって爆発した。
 お父さんの体がビクビクして、引きつったみたいになる。
 私の体の一番奥に、何かが流れ込んできた。熱い。なんか熱い。ヤケドしそう。
 私もビクビクして、キューっとなって、頭の中が真っ白になった。
 長い長い真っ白のあと、私はハアハア息を切らして、ベッドの上でぐったりしてた。
 あんなに硬かったおちんちんが、ふにゃっとなって私の穴から抜ける。
 ぽっかり開いたそこから、トロトロしたものがこぼれてたみたいだけど、私はそんなの気にすることもできなくて、半分気絶しちゃってた。
 そんな私の、おかっぱ頭を優しくなでて、お母さんが笑った。
「ふふっ、ミユ――そのうち私の弟か、妹を産んでちょうだいね。だってミユは、私のお母さんなんだから」
 私はうん、うんってうなずいた。うなずいた気がした。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

 お昼を食べてテレビを見て、お日様がちょっと傾きかけた頃、私は家を出た。
 幼いユウキを連れて、いつものスーパーに向かう。
 他の二人はもう来てて、スーパーの向かいにある喫茶店でお話ししていた。
 私も店に入って、手を振って二人を呼んだ。
「ナナ、モモー!」
「あ、ミユこっちー!」
 二人はニコニコ笑って、私に席をすすめてくれた。
 ユウキを抱っこして、二人と同じテーブルにつく。オレンジジュースを注文した。
 私の斜め前に座ったナナが、ウチワをパタパタあおいで風を送ってくれた。
 もう夏休みは終わっちゃったけど、まだまだ暑い。汗をかいてしまった。
「今日も暑いねー」
 今度は自分をパタパタあおいで、ナナが言った。
 私の二倍くらいありそうなお腹のでっぷりしたナナだから、すごく暑そう。
 ダイエットすればいいのにって思うけど、なかなかうまくいかないんだって。
「あっはっは、でもこの方がうちのお母さんっぽくていいじゃん!」
 そう言って自分のお腹をぱちんと叩くナナを見てると、つい笑っちゃう。
 私の隣の席にはモモが座って、冷たいカルピスを飲んでいた。
 モモはナナみたいに太ってはなくて、逆にほっそりしてる。背も私より高い。体の線がよくわかる半袖のワンピースを着て、ハイヒールをはいている。
 でも、可愛いニコニコ顔は全然変わってなくて、丸くておっきな眼鏡もいつも通り。今でも三つ編みのおさげを垂らしてるから、皆がビックリするんだって。
 まあ、あれからだいぶたってるのにおかっぱ頭をやめない私も、似たようなものだけど。
 首から下がお母さんになっちゃっても、私は私。ナナはナナだし、モモはモモだ。
 私たちがお母さんたちと入れ替わって戻れなくなって、もう随分たつ。私も含めて、皆、今の自分たちにすっかり適応してしまっていた。
 私たちはジュースを飲みながら、家のこと、テレビのこと、いろんな話で盛り上がった。
 しょっちゅうこうやって集まって、楽しく喋って、一緒に買い物をする。
 もう学校に行けなくなっちゃった私たちだけど、相変わらずの仲良しだ。
 今度三人で遊びに行こうって話になったから、後で予定を確認しないといけない。
 私は両手に買い物袋を提げて、ウキウキしながら家に帰った。
 お母さんが学校から帰ってきたのは、それからすぐのことだった。
「ただいまー、ミユっ!」
 元気な声と一緒に、ランドセルを背負ったお母さんが部屋に入ってくる。
「あー、お腹すいちゃった! おやつある?」
「あるけど、その前にお母さん、ちゃんと手を洗って、うがいもしてね」
「あ、ごめん。忘れてたわ」
 てへって笑って頭をかいて、洗面所の方にドタドタって駆けていく。
 近頃のお母さんはすっかり子供っぽくなっちゃって、どっちがお母さんだかわからない。
 まあ、普段から「ミユが私のお母さん」なんて言ってるから、しょうがないのかも。
 冷蔵庫の中にシュークリームがあるのを見つけて、お母さんは大喜びだった。
 お母さんとテーブルを挟んで座って、ユウキを膝にのせながら、今日は学校でどんなことがあったか聞くのが、私の日課だ。
「今日は五十メートル走で新記録を出したの。頑張っちゃった」
「へえ。すごいね、お母さん」
 私がほめると、お母さんはちょっとだけ恥ずかしそうに、でも嬉しそうにうなずいた。
 高学年になってバレーボールを始めたお母さん。体育がすっごく楽しいみたい。
 もうすぐやってくる運動会に向けて、ナナのお母さんとモモのお母さんと、仲良し三人組で毎日一緒に練習を頑張ってるそうだ。
 パーマのかかった長い髪もばっさり切って、可愛いショートヘアに整えて、やる気抜群。
 私も嬉しくなって、運動会は絶対見に行くからねって、お母さんを励ましてあげた。
 晩ごはんの支度は、お母さんに手伝ってもらう。
 ホントは全部、私一人でできたらいいんだけど、それはまだちょっと難しい。
 包丁の使い方とか、火加減の見方とか、もっといろいろ教わらないと。
「でもミユ、だいぶ上手くなったわよ。もう立派なお母さんね」
 お世辞だってわかってるけど、お母さんにそうほめられると嬉しくなる。
 ペアで同じエプロンをつけて一緒に料理するのは、とても楽しい。
 夜、仕事から帰ってきたお父さんと、四人でごはんにする。
 お父さんがどうしてもって言うから、私もビールを一緒に飲んだ。
 ちょっと酔っ払って、いい気分でお風呂に入って、子供たちを寝かしつける。
 酔っ払ったからなのか、はじめからそのつもりだったのか、ベッドに入ると、お父さんが私の上に覆いかぶさってきた。
「なあ。しようぜ、ミユ」お父さんは赤ら顔で、私のネグリジェを剥ぎ取った。
 私もお酒を飲んで気分がよかったから、裸でクネクネしてお父さんを誘った。
 もういい歳の私の体だけど、自分じゃまだまだ若いと思う。
 その証拠に、お父さんは興奮した様子で私の胸にむしゃぶりついてきた。
「あんっ、お父さん……!」
 私はお父さんにひたすら責められ、何度も何度もイカされた。
 アルコールが入ってるからか、いつもより体が熱い。早く入れてほしかった。
「ミユ、今日は生でしてやるからな」私の耳元でお父さんが囁く。
 今日はちょっと危ない日。いつもならゴムつけてと言うところなんだけど、この日の私は高ぶった自分が抑えられなくて、妊娠なんてどうでもよかった。
 犬みたいに四つんばいになって、「早く、早くきてぇ」とお尻をプリプリ振る。
 我慢できなくなったお父さんが、私を後ろから貫いた。嬉しい悲鳴があがった。
 私はお父さんの、今は夫である人のものを受け入れてよがり狂った。
「ああっ、あっ、あんっ、んああっ」
 夫のたくましいものが私の中を往復して、熟れた肉をこそげとる。
 むっちりした腰を、大きな尻をつかまれて、パンパン叩きつけられる。夫の腕が伸び、ブルブル揺れる巨乳をわしづかみにした。
 激しすぎるセックスの快感に、私は理性を失くして喘ぐだけだった。
 ケダモノみたいに私の上にのしかかった夫が、唾を吐いて言ってくる。
「ミユ、ミユ――いくぞ、中に出すぞっ!」
 ラストスパートの中出し宣言。私を孕ませる気マンマンだ。
 先にイったのは私の方。夫は頭が完全に飛んでしまった私をグッと引き寄せて、たっぷり子種を植えつけた。これは間違いなくできちゃう。心の隅でそう思った。
 それから二人で抱き合って、イチャイチャしてたときのこと。
 私は寝室の戸が少しだけ開いていたのに気がついた。
 閉め忘れじゃない。誰かがこっそり、聞き耳を立てていたんだ。
 ひょっとしたら直接見てたかもしれない。犯人は言わずもがなだった。
 私は軽く笑って、部屋の外に向かって呼びかけた。
「子供はもう寝なさい。それとも仲間に入れてほしいの? お・か・あ・さ・ん」
 長い沈黙のあと、戸がスーっと開いて、お母さんが恥ずかしそうに顔を見せた。
 子供用のピンクのパジャマを着たお母さんは、今は可愛い女の子。私の娘でしかない。
 私は元母親の娘を抱き寄せて頭を撫でると、頬にキスをしてやった。


前のを読む   一覧に戻る

inserted by FC2 system