窓の外でさえずる小鳥の鳴き声に、祐介は目を覚ました。 枕元の時計を見ると、そろそろ起きなければならない時刻だ。気だるさの残る体を叱咤して寝床を這い出る。 部屋の壁の、彼の顔とほぼ同じくらいの高さの場所に、長方形の鏡が掛かっていた。カーテンの隙間から明るい朝の光が差し込む中、祐介は鏡をのぞき込んでため息をついた。 「くそっ、まだ元に戻ってない。いったい俺は、いつ男に戻れるんだ……」 鏡には険しい顔をした短髪の少年が映っていた。 パジャマのボタンを外して前を開くと、黒いブラジャーに包まれた巨大な二つの膨らみがこぼれ出た。細くくびれた腰の下方には、同じ色のショーツが見える。体型も下着も、明らかに若い女のそれだった。 (手も、足も、胸も、尻も……頭以外は全部、加藤真理奈のものなのか。今の俺、あいつの体になってるんだ……) 祐介の首から下が真理奈の体になってから、既に三日が経過していた。あの悪夢の日、黒魔術によって祐介の頭部は真理奈のものとすげ替えられ、祐介は女になった。 ただ体が入れ替わっただけではない。そのあと調子に乗った真理奈は散々祐介を辱しめ、彼の身も心もぼろぼろに傷つけた。全てが終わったあと、祐介は放心状態で家に帰り、そのまま寝込んでしまった。眠っている間も記憶に刻み込まれた被虐の体験が祐介を苛み、何度も何度もうなされた。 それから二日が経ち、ようやく起き上がれるようにはなったものの、いっこうに元の体に戻れない現状では、依然として気が晴れない。 今日も学校を休んでしまおうかと考えたが、病気でもないのにいつまでも欠席し続けるわけにはいかない。やむをえず立派な乳房にサラシを巻いてきつく締めつけ、男子用の制服に袖を通した。 三日ぶりに外に出ると、爽やかな風が家々の間を吹き抜け、祐介の顔を優しく撫でていった。 道路の向かい側にある一戸建てを訪ね、インターホンを鳴らす。しばらく待っているとドアが開いて、驚いた顔の瑞希が姿を見せた。 「祐ちゃん、もう体は大丈夫なの?」 「ああ、だいぶマシになったよ。いつまでも休んでられねえからな」 祐介は無理をして笑顔を作り、一緒に登校しようと瑞希を誘った。瑞希はこくりとうなずき、嬉しそうに祐介の手をとる。 「祐ちゃんの手、すべすべだね。これ、真理奈ちゃんの手なんだね……」 「ああ、そうだ。でも瑞希、変わったのはお前も同じだろ。こんなムチムチの体になっちまって……」 祐介は瑞希の肩に手を置いてしみじみと言った。学年でも一、二を争うほどに小柄な体格だったはずの瑞希が、今は長身の真理奈の体と大差ない背丈になっていた。各所が丸みを帯びた肉づきのいい体が、セーラー服の下で窮屈そうに縮こまっていた。 「しょうがないよ。この体は升田先生のなんだから。元に戻るまで、私も祐ちゃんと一緒に我慢しなきゃ」 瑞希はかすかな憂いを瞳に表す。祐介が真理奈と体を取り替えられたのと同じく、瑞希も世界史担当の女教師の体になってしまっていた。今の祐介に勝るとも劣らない巨乳と、大きく左右に張り出した熟女のヒップが十七歳の童顔の下にあった。 「はあ……俺たち、いつ元に戻れるんだろうな。まさか、ずっとこのままなんてことは……」 「大丈夫、きっとすぐに戻れるよ。だからそんな顔をしないで」 不安がる祐介を瑞希が慰める。大事な自分の体を奪われ、ひと回りも年上の女教師の身体を押しつけられても気丈に振る舞う瑞希の姿に、祐介は自分の情けなさを思い知らされた。 (そうだな。瑞希だって泣きたいだろうに、我慢してるんだ。俺が弱音を吐いてどうする……ん?) そのとき、祐介は交差点の向こうから背丈の低い女がやってくるのに気づいた。せいぜい中学生か、もしかすると小学生と間違えてしまいそうなほど小柄な茶髪の女子だった。だが瑞希と同じセーラー服を着ていることから、おそらく祐介と同じ学校に通う高校生なのだろう。 ゆっくりこちらに近づいてくる女の顔を見て、祐介は眉をひそめた。相手は彼の肉体を奪った憎らしい女、加藤真理奈だった。 「おはよう、真理奈ちゃん」 「おはよ、瑞希……」 瑞希は真理奈に笑いかけたが、真理奈の声には元気がなかった。三日前の横柄な態度とはまるで別人だった。しょげ返ったようにうつむいてばかりで、祐介の方を見ようともしない。 「おい、加藤。俺に何か言うことはないのか?」 と祐介が話しかけても、押し黙って膨れっ面をするだけだ。普段よりも二十センチ以上背丈が低くなっている真理奈を見下ろし、祐介は怒りをあらわにした。 「おい、何とか言えよ。俺は無理やりお前の体にされちまったんだぞ。望んでもないのに女にされた俺の苦しみがわかるか !?」 「そんなこと言われても、今のあたしにはどうしようもないわよ。もう魔法は使えないし、あんたたちを元に戻してあげることもできない……」 真理奈はぽつりと言った。百七十センチ近い長身を誇る真理奈を自分が見下ろしていることに、祐介は激しい違和感を覚えた。 真理奈の体は祐介の首に繋ぎ合わされ、代わりに真理奈の首は、小柄な瑞希の身体に接合されている。真理奈自身がそのようにした結果だが、もはや魔力を失ってしまった今の彼女には、すげ替わった自分たちの首を元に戻すことは不可能だという。これも祐介が寝込んでしまった理由の一つだった。 「じゃあ、一体どうするんだよ。俺に一生女のままでいろって言うのか? そんなのごめんだぞ。瑞希だってこんな体にされちまったんだ。絶対、元に戻してもらう!」 「できるんだったらとっくにそうしてるって。でも、あたしに黒魔術を教えてくれたバカ悪魔のやつ、どっか行っちゃったらしいのよ。あいつが戻ってくるまでは、皆このままでいるしかないわ」 「そんな無責任な……おい、せめて俺と瑞希に謝れよ。お前がしょーもないことをするから、こんな厄介なことになったんだろうが。責任とって土下座しろ」 祐介は真理奈の胸ぐらをつかんで迫ったが、真理奈は「絶対やだ」とへそを曲げてしまう。 「瑞希には謝ってやってもいいけど、中川には絶対やだ。元はといえば、あんたが日頃からあたしにケンカばっかり吹っ掛けるのが悪いんでしょうが。自業自得よ」 「何だと、てめえっ!」 「祐ちゃん、やめてよ。真理奈ちゃんも、祐ちゃんのことをあんまり悪く言わないで……」 またしても喧嘩を始めてしまった二人を、瑞希が慌てて仲裁する。 瑞希を挟んでいがみ合う祐介と真理奈の姿は、それぞれの身長と体型さえ除けば、常日頃繰り返されている日常の光景と何ら変わりがなかった。 ◇ ◇ ◇ ◇ 世界史教師の升田美佐は生徒指導室の椅子に腰かけ、彼女が来るのを待っていた。 (それにしても……まだこの格好には慣れないわね。皆も私の服装を見てひそひそ噂していたし、いやだわ……) 机の下で太くがっしりした脚を組み替え、小さく嘆息する。 平生、堅苦しいスーツ姿で授業をしている升田だが、今日は安物のジャージを身につけていた。堅物で知られる女教師の変貌ぶりに、さぞ生徒たちも驚いていたに違いない。 それというのも、升田の首から下は升田の身体ではないからだった。 本来の自分の体ではないどころか、女でさえない。細い眼鏡をかけた知的な美貌の下方には、若く健やかな男子高校生の肉体があった。 (この三日間で少しはこの体にも慣れたけど、やっぱりしっくりこないわね。お手洗いに行くのだって恥ずかしいし。ああ、早く元の体に戻りたい……) 升田が怪しげな黒魔術の力で男子生徒と首をすげ替えられてから、既に三日が経過していた。その間、衣食住からトイレに至るまで、不慣れな男の体で生活するのは大変な労苦だった。 日常生活だけではない。無論、仕事にも差し支えはあった。いくら大きめのサイズのジャージで隠しているとはいえ、今の升田が女の体格でないのは一目瞭然である。 好奇心旺盛な生徒たちの目から逃れるため授業を早めに切り上げ、チャイムが鳴る前に急いで職員室へと戻らなければならなかったし、職員室でも同僚の教師たちが興味津々の顔で何があったか訊ねてくる。いい加減にしてほしい、というのが率直な気持ちだった。 (それもこれも、全部あの子のせい……ああ、やっと来たようね) 部屋のドアがノックされ、升田は顔を上げた。おそるおそる入ってきたのは二年の女子生徒、加藤真理奈だった。 「遅かったじゃない、加藤さん」 「す、すいません……掃除が長引いちゃって」 升田の鋭い視線に射すくめられ、真理奈はうつむいて弁解した。 升田は授業態度の悪い真理奈のことを日頃から嫌っていたが、現在、彼女が抱いている感情は、とてもそんな生易しいものではない。今にも噴火してしまいそうな怒りのマグマが、升田の胸をちりちりと焦がしていた。 「言い訳はいいから、そこに座りなさい。まったく、誰のせいでこんなことになったと思っているの?」 「は、はい、あたしです……」 真理奈は長机を挟んで升田の向かいに座り、小柄な身体を丸めてかしこまった。 反論でもされたら間違いなく激昂したことだろうが、卑屈に振る舞われたところで怒りが収まるわけではない。机の下で拳をぐっと握り込んだ。 「そうね。あなたが妙なことをしてくれたおかげで、先生はこのとおり男の体になっちゃったわ。しかも私の体は勝手に別の女の子が使っているし、いつ元に戻れるかもわからない。これも全部あなたのせいよ。どう責任をとってくれるの?」 怒りを隠しきれずに声を震わせると、真理奈の顔が蒼白になった。 「ご、ごめんなさい。多分、来週までには元に戻れると思いますから……」 「へえ、それはまた随分と気の長い話ね。少なくとも来週まではこの格好でいないといけないなんて……一体どうしてくれようかしら」 「ご、ごめんなさい。あのときのあたし、どうかしてたんです。このとおり謝りますから許して下さい……」 真理奈は亀のように首を縮めて謝罪する。升田はそんな真理奈の襟をつかんで、力任せに自分の方へと引き寄せた。真理奈の椅子が倒れてガタンと音をたてた。 「本当に悪いと思っているの? 先生に対してあんなひどいことをして、そう簡単に許してもらえると思ってるの?」 「うぐっ、やめて下さい。許して下さぁい……」 男子高校生の大きな手で細い首を絞めると、たちまち不快なうめき声があがった。真理奈の顔が赤く染まり、次第に青みがかってきた。信号機のように変わる少女の顔色を眺めて、升田はようやく笑みを浮かべた。 「あなたみたいに頭の悪い子は、厳しくしつけないといけないわね。まったく、親御さんはどういう育て方をなさったのかしら」 「ぐええっ、許して。何でもしますから殺さないで……ごぶっ、ごぶっ」 真理奈の必死の命乞いに、升田は腕の力を緩めた。ようやく解放された真理奈は激しく咳き込み、長机に突っ伏して悶えた。 「げほっ、げほっ! うう、苦しい……」 「こっちに来なさい、加藤さん。教師の私が責任をもって、あなたを指導してあげます」 升田は真理奈をそばに招くと、自分が着ているジャージのズボンをずり下ろし、ボクサーパンツの中からだらりと垂れた男性器を取り出した。 「せ、先生、いったい何を……?」 「出来の悪いあなたに貞淑な女性のマナーを教えてあげます。さあ、まずはこれをしゃぶってちょうだい」 「い、嫌です! なんであたしがそんなことをしなきゃいけないんですか!」 真理奈は首をぶんぶん振って嫌がったが、升田が再びその首に手をかけようとすると、恐怖で真っ青になった。 「早くしなさい。ここには私とあなたしかいないのよ。腕づくで言うことを聞かされるか、それとも教師の私に逆らってあとで痛い目を見るか……。どちらにしても、あなたは従うしかないの。わかったら早くしなさい!」 「ひ、ひどい。ううう……」 真理奈は目尻に涙をためて、こわごわ升田の下半身に近づく。升田はそんな彼女の髪を乱暴にわしづかみにして、顔を無理やり自分の陰部に押しつけた。 「い、痛いっ!」 「そうね、痛いでしょうね。でも、私を怒らせたらこんなものじゃないわよ。許してほしかったら、せいぜい私を気持ちよくさせることね。さもないとどうなるか……わかってるわね?」 「は、はい、やらせていただきます。うう……」 ぽろぽろ泣きながら、升田の陰茎に舌を這わせる真理奈。上目遣いでこちらの機嫌をうかがう女子高生の姿は、少なからず升田の怒気を和らげた。 「そう、その調子で先っちょをペロペロするの。裏筋も忘れずにお願いね……んっ、歯は立てないように。そうよ。なかなか気持ちがいいわ。やればできるじゃない」 「ふぁい、ありがとうございます……ううっ、うむっ」 「うふふ、とってもいい顔をしてるわね。下品でいやらしいあなたにはお似合いだわ」 升田は真理奈をあざ笑いつつ、ポケットから携帯電話を取り出してカメラを向けた。浅ましい醜態を間近で撮影され、真理奈は狼狽した。 「やだ、撮らないで──い、痛いっ。髪を引っ張らないでぇっ」 「ほら、お口がお留守になってるわよ。大事な髪を引き抜かれたくなかったら、さぼらずおしゃぶりに励みなさい」 「ううっ、あたしがなんでこんなことを……」 めそめそして鼻水をすする真理奈の顔が、動画として記録される。升田は愛用の携帯電話を構え、にやりと笑った。 「もしも私の体が元に戻らなかったら、この映像を学校の皆に見せてあげる。普段から性欲を持て余してる男の子たちは、さぞ喜ぶでしょうね。まあ、その代わりあなたは二度と学校に来れなくなるでしょうけど」 「そ、そんな。それって脅迫じゃ……いぎいっ! やめてぇっ!」 きらきら光る茶色い髪を強く引っ張り、奉仕を再開するよう促す。真理奈は子供のように泣きじゃくり、女教師の男根を奴隷のようにしゃぶり続けた。 「ああ、いい気分。嫌がる女の子を力で従わせるのって最高ね。男の人の気持ちが少しだけわかったわ」 「ううっ、ぐすっ。ううう……」 暴力と権力とで脅され、無力な真理奈に抵抗のすべはない。命じられるまま升田のペニスを口に含み、カメラの前で淫らな奉仕にふけった。 若い肉棒は女子高生の舌づかいに奮い立ち、真理奈の口を内側から拡張した。 「うふふ、やっぱり年頃の男の子の体は元気ね。おちんちんがこんなに膨れて、破裂してしまいそう」 「むぐっ、口が……ああっ、大きい……」 真理奈は泥酔したかのような赤ら顔で、脈動するペニスに見とれる。舌を伸ばして幹をなめ回す淫猥な姿に、女教師はますます笑みを深くした。 「もっと口を開けなさい。この大きなおちんちんを根元まで食べさせてあげる」 「は、はい。ううっ、うぐ。うむうっ」 床に膝をついた真理奈の大口に肉の剣を突き込み、遠慮なしに奥へ差し入れた。 真理奈は若く反り返ったペニスを口いっぱいに頬張り、声にならない悲鳴をあげた。生意気な女子高生が男性器に奉仕しながら下品な顔で喘ぐ姿は、升田にとって最高の見世物だった。 「ふふっ、気持ちいいわ。加藤さんのお口、ぬるぬるして温かい」 真理奈の頭をつかんでゆっくり腰を前後させる。唇と陰茎の隙間から唾液がこぼれ、真理奈の制服の襟元を汚した。 「ふごっ、ふごっ。ううっ……」 次第に激しさを増すペニスの動きに、真理奈は呼吸をせき止められて悶えた。肉の塊が執拗に喉を穿ち、強気な少女を嬲りものにする。肉体を取り替えられた数日前とは立場が正反対だった。 「あらあら、こんなにいやらしい顔でおちんちんをくわえちゃって。とってもエッチな女の子ね、加藤さんは」 「ううっ、うむう……」 とろんとした瞳で升田を見上げる真理奈の面には、苦痛とは明らかに異なる感情が表れていた。 散々もてあそんだ女教師から受ける被虐が、真理奈の体を火照らせているのだろう。ぐぽぐぽと卑猥な音をたててイマラチオに熱中する真理奈の表情からは、もはや升田に対する憎悪も敵意も消え失せていた。 (ああ、なんていい心地なの。腰が勝手に動いて、自分でも止められないわ) 心の内に潜むサディズムに火がつき、升田は己を抑えきれない。本能の命じるままに腰を打ちつけ、哀れな真理奈の口腔を犯した。 魔術を行使する力を失った今の真理奈は、もはや傲慢な女教師を満足させるための道具に過ぎなかった。 祐介のものだった男性器が少女の喉奥を突き、現在の所有者である升田にとろけるような快楽をもたらす。今の自分が牝ではなく牡であることを、升田は薄ら笑いを浮かべて真理奈に感謝した。 「すごい。加藤さんの喉、たまらないわ。今にも出ちゃいそうよ」 「うぐっ、待って──ぐぼっ、ごふっ。ふごごっ」 制止しようとした真理奈を力で押さえ、口内に深々とペニスを挿し込む。射精は間近だった。 「ああっ、出るわ。真理奈、飲んでっ!」 「ふおおっ、うごっ。おおおっ」 升田の陰嚢がぶるぶると震え、女子高生の消化器に熱い樹液を撒き散らした。 濃厚な精を直接食道に注がれた真理奈のうめき声は、とても美少女のそれとは思えない。豚にも似た悲鳴をあげて升田のスペルマに溺れた。 「おぐっ、ごほっ! ううう……けほっ、けほっ」 「うふふ、いっぱい出しちゃったわ。気持ちよかった……お次はこっちのお口にも飲ませてあげる」 射精が終わっても若いペニスはいささかも萎えない。 升田は床に四つん這いになって咳き込んでいる真理奈の尻を両手でつかむと、彼女の小さな背中にのしかかった。獣の交尾の姿勢だった。 「あっ? 先生、何を──あんっ、入れちゃダメぇっ。いや、いやぁっ」 狭い女性器に焼けた杭のような陰茎を突き立てられ、真理奈ははしたない悲鳴を放つ。 森田瑞希の肉ひだが愛する祐介のものを締めつけ、二人は擬似的な恋人同士となった。 「ああ、きつくて気持ちがいいわ。こんなに私のおちんちんを締めつけてくるなんて……うふふ、元の体に戻るまで、毎日こうしてあげるから覚悟しなさい。さもないと、今撮ったあなたの恥ずかしい映像を学校中にばらまくから」 「そ、そんな──ああっ、突かないでっ。ああんっ、激しいっ」 「可愛いわ、加藤さん。不真面目なあなたのことは好きじゃなかったけど、今なら仲良くやれそうね。気を失っちゃうくらい、気持ちよくしてあげる」 後背位で真理奈を犯しながら、升田は男子高校生の肉体で味わう官能に酔いしれる。 艶やかな声をあげて絡み合う男と女の淫靡な姿を、机の上に置かれた携帯電話が余さず記録していた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「はい、祐ちゃん。熱いから気をつけてね」 「ああ、サンキュ」 祐介は瑞希の手から受け取ったコーヒーカップを口元に運んだ。紅茶とほのかなレモンの香りが鼻孔をくすぐる。茶菓子は瑞希の好きなアップルパイだった。 「それにしても、今日はドキドキした。皆にバレなくてほっとしたよ」 レモンティーを一口すすり、ベッドにもたれかかった。制服の前を開くと、胸を覆う白いサラシが現れる。幾重にも巻かれたそれを取り去り、祐介は上半身裸になった。 「ふう、楽になった。ちょっと締めすぎたか? でもこのサイズだと、隠すのが大変だからな……」 男の体には決して存在しない二つの大きな膨らみが、祐介の手のひらに載っていた。あり余るボリュームを誇る見事な乳房がたぷたぷと弾む。クラス中の男子生徒を誘惑する加藤真理奈の巨乳だ。 学校での半日を真理奈の身体で過ごしたが、幸いにも周囲に怪しまれるようなことはなかった。体育の授業を見学し、できるだけ目立たない振る舞いを心がければ、誰に注目されることもない。元の体に戻るまで、何とかやっていけそうに思った。 「ふふふ……真理奈ちゃん、スタイルいいからね。でも祐ちゃんは背丈があんまり変わってないから、まだましだよ。私なんて升田先生の体になっちゃったから、皆が目を丸くしちゃってさ」 瑞希は苦笑して、己の姿を指し示す。そこには女子高生の制服を身につけた、世界史教師の升田美佐の肉体があった。 身長も体格も本来の瑞希の体とはまるで異なるため、自分の制服も着られず、大柄な真理奈から借りたセーラー服を着ていた。 「そうだな。クラスで一番小さな瑞希が、今は升田先生のむっちりした体だもんな。男子の中にはお前のこと、いやらしい目でちらちら見るやつもいたし、まったく腹が立つ」 「え、そうなの? 全然気づかなかった。恥ずかしい……」 瑞希は耳まで赤くして顔を伏せる。祐介は「気にすんな、ほっとけ」と言い聞かせ、ひと回りも年上の女教師の身体になってしまった幼馴染みを慰めた。 「まあ、これも元に戻るまでの辛抱だ。加藤の話によれば、来週には何とか元に戻れるそうだからな」 「そうだといいね。やっぱり今のままじゃ困るもん。祐ちゃんは男の子でないと」 「絶対元に戻れるさ。だからそんなに心配するなって。ほら、こっちに来い」 祐介は手招きして、憂いを帯びた表情の瑞希をそばに呼んだ。頭の左右で束ねた黒髪を撫でてやると、瑞希はようやく笑顔を取り戻した。 「ありがとう、祐ちゃん。お返しに、私も祐ちゃんを慰めてあげるね」 柔らかな笑みを浮かべて、瑞希は祐介の頬に口づけた。淡い桃色の唇が頬をついばみ、首筋から耳の下までなめ回す。こそばゆくも心地よい感触に、祐介はふっと微笑む。 「おいおい、何するんだよ。そんなところ、なめたらくすぐったいじゃないか」 「いいじゃない。いつもは私が祐ちゃんにこうしてもらってるから、たまには私がしてあげたいの」 瑞希は半裸の祐介に抱きつき、そっと唇を重ねてきた。軽く表面を触れ合わせるだけのキスが、やがて舌を絡める情熱的な接吻へと変わる。 祐介は目を閉じ、恋しい美少女との口づけを堪能した。 「んんっ、瑞希……ん?」 接吻に夢中になっていた祐介だが、不意に胸の辺りに鋭い刺激を受けて目を開いた。視界の下方で、瑞希の手が乳房を揉みしだいていた。 「お、おい、何するんだ。やめてくれ」 「大きくて柔らかい……祐ちゃんの体、本当に真理奈ちゃんのになっちゃってるんだ」 瑞希は好奇心を剥き出しにして、張りのある豊かな乳を握りしめた。指の腹で敏感な乳頭を摩擦されると、口から勝手に声が漏れてしまう。 「ああっ……瑞希、やめてくれ。そんな風にされたら──うっ、ううんっ」 「なんだか祐ちゃん、本物の女の子みたい。ちょっと可愛いかも……」 瑞希は頬を朱に染めて、祐介の背後に回り込む。後ろから祐介の乳房を揉みつつ、再び唇を重ねて喘ぎ声を封じてくる。 いつになく積極的な恋人の愛撫に、祐介は抵抗することも忘れてなすがままになっていた。 (はあっ、乳首がコリコリする。女の体って、なんて敏感なんだ……) 男物の黒いズボンの内側で、女の芯がじんと疼いた。性に奔放な真理奈の肉体が火照り、不可視の糸で祐介の心を絡めとる。 「祐ちゃん、好きだよ。私と一緒に気持ちよくなろうよ」 「ああっ、瑞希……お、俺……」 自然と目が潤み、息が苦しくなる。瑞希はそんな祐介の体の向きを変え、自分と向かい合う姿勢にした。彼の胴体にゆっくりと顔を近づけ、指ではなく上下の唇で乳の先端を挟み込んだ。 「み、瑞希──ああっ、駄目だ。こんなの駄目だって。あんっ、ああんっ」 祐介は天を仰いで熱い吐息を吐き出した。真理奈と肉体が入れ替わった日に受けた羞恥の記憶が蘇り、ピンク色の乳首をしこらせる。 女のように高い声をあげて悶える自分の姿に、倒錯した興奮が湧き上がった。 「祐ちゃんのおっぱい、綺麗だね。大きくて形もいいから羨ましいな」 先端が上向いた祐介の乳房を羨望の眼差しで見つめ、瑞希は自分の服を脱ぎ始める。夏物のセーラー服の中から現れたのは、あどけなさを残した童顔に似つかわしくない、グラマラスな女教師の肉体だった。 あまりにも大きすぎる顔と体のギャップが、祐介の目を釘付けにする。 升田から借りたという地味なデザインのベージュの下着が床に落とされ、瑞希は丸裸になった。 「祐ちゃんも下を脱いでよ。祐ちゃんの首から下についてる真理奈ちゃんの体、全部私に見せて」 「お、おい、瑞希……」 祐介は抗議の声をあげたが、強引な瑞希にズボンとショーツを剥ぎ取られ、ソックスだけの姿にされてしまう。十七歳の裸身がなめらかな肌を晒した。持ち主である祐介でさえ思わず唾を飲み込んでしまうほど、美しく均整のとれた肢体だ。すらりと長い手足と腰高の細い体がまぶしい。 「これが女の子の祐ちゃん……祐ちゃんの顔と真理奈ちゃんの体がくっついてるんだ。何度見てもびっくりしちゃうね」 瑞希は感嘆し、入れ替わりの事実を確かめるように祐介の胸や股間をまさぐる。 敏感な箇所を這い回る手の感触に、祐介は喘ぎ声を抑えられない。 「あんっ、ああんっ。瑞希、やめろ……そ、そんなところをいじっちゃ駄目だ。あんっ」 「どうして? 祐ちゃんの体、気持ちいいって言ってるよ。おっぱいの先がこんなに硬くなってるし、下だって、ほら。おつゆが漏れてきた」 瑞希が手で祐介の割れ目を広げた。幾重にも連なった肉の膜を指先がなぞり、とろみのある液体が滴っているのを教えてくれる。祐介の秘所から染み出した蜜だった。 (ううっ、アソコが濡れてる。俺はこんなの嫌なのに……) 主の意思とは無関係に発情してしまう淫らな体が恨めしい。真偽のほどは定かではないが、美人でスタイルのいい真理奈は、複数の男性と肉体関係を持っていると聞いたことがある。 おそらく彼女を妬んだ者たちによる心無い噂なのだろうが、この淫乱ぶりではあながち間違いではないかもしれない、と祐介は思った。 瑞希の指が乳頭をしごき、陰核を弾く。心地よい電流が身体中を駆け巡り、祐介の理性を蕩けさせた。 抗う力も失せ、祐介は幼児のように震えながら恋人に身を委ねた。平生、自分が瑞希にしてやっている行為が、今は逆に祐介を虜にしていた。 「瑞希、やめて──ああっ、すごい。ひいっ、ひいいっ」 「えへへ、祐ちゃんの体、とってもエッチだね。感度がすごくて、どこを触ってもビクビクしちゃう」 瑞希はいたずらっぽく笑い、祐介の首筋に優しく口づけた。顎や頬にキスの雨を降らせつつ、祐介の背中に腕を回して正面から密着してくる。 何をするつもりかと不審に思っていると、祐介の胸に瑞希の乳が押し当てられた。 「ほら、おっぱいがぶつかり合ってぷよぷよしてるよ。今の私たち、どっちもおっぱいが大きいからこんなこともできちゃう。面白いね」 女教師と女子高生の巨乳同士が触れ合い、尖った乳首が衝突する。弾力のある四つの肉の塊が自在に形を変え、淫靡な光景を祐介の目に焼きつけた。痛みにも似た鋭角的な刺激に、荒い呼吸が収まらない。 「はああっ、こんな──俺のおっぱいが、瑞希のにツンツンされてる……」 「祐ちゃん、気持ちいい? 私は気持ちいいよ。私の小さな胸じゃ、こんなことできないもんね」 興奮で顔を赤くした瑞希は、ますます激しく祐介を責めたてる。祐介は体裁を取り繕う余裕もなく、瑞希にされるがままになって、「あんっ、あんっ」と甘い声をあげ続けた。 「祐ちゃん、可愛い。いつもの凛々しい祐ちゃんも好きだけど、可愛い女の子の祐ちゃんも大好きだよ。ほら、もっとおっぱいをこすり合わせて、気持ちよくなろうよ」 「ああっ、乳首すごいっ。気持ちいいっ」 祐介と瑞希は女同士で体を絡め合い、他人の肉体であることも忘れて快楽を貪った。瑞希の指が、唇が、そして乳房が、不慣れな女の体になった祐介を絶頂へと押し上げる。 「瑞希、俺──ああ、イクっ。あっ、あっ、駄目っ、あああっ」 視界が真っ白になり、赤い花びらが脳裏に舞い散る。真理奈の身体が躍動し、新しい持ち主の心に女のエクスタシーを刻みつけた。 「祐ちゃん、イっちゃったの? なんだか幸せそう。お口からよだれが垂れてるよ」 瑞希が顔を近づけ、祐介の唇をぺろりとなめた。アクメを迎えたばかりだというのに、口の中に瑞希の舌が入ってきて、祐介は休む間も与えられない。 「はあっ、はあっ。み、瑞希──んっ、ううんっ」 「んっ、祐ちゃん。祐ちゃん、好きなの。はむっ、うむんっ」 二人の女は互いの名前を呼びながら、接吻に没頭して愛を確かめ合う。しばらくそうして抱き合っていたが、やがて瑞希が祐介の身を放して立ち上がった。 「ちょっと待ってね、祐ちゃん。実は、祐ちゃんに見せたいものがあるの」 「はあっ、ふうっ。な、なんだ?」 「ほら、これ。私から祐ちゃんにプレゼントだよ。どう?」 「お、お前、それ……」 傍らの机の中から瑞希が取り出したものを見て、祐介は仰天した。 下着のような形状の黒い帯に、男性器を模したグロテスクな突起が備えつけられていた。俗にペニスバンドと呼ばれる淫具だった。 「私たちの体、しばらくこのままで元に戻れないでしょ? だから女の子同士でもエッチできるように買ってきたの。買いに行くの、すごく恥ずかしかったんだよ。サングラスとマスクで変装してさ」 「み、瑞希……」 恥ずかしそうに頬を赤くして微笑む瑞希に、なんと答えたらいいのか、祐介にはわからない。その場にへたり込んで瑞希を見上げ、幼馴染みの少女が肉づきのいいヒップにペニスパンドを装着するのを、呆然と眺めた。 「いつもは私が祐ちゃんに入れてもらってるから、たまには私が祐ちゃんに入れてあげたいの。ほら、脚開いて」 「ちょっと待て、瑞希。俺はそんなの嫌だ。冗談じゃないぞ……」 祐介は逃げようと腰を浮かせたが、まだ体のあちこちに痺れが残っていて、思うように動けない。閉じた太ももが無理やり広げられ、間に瑞希の身体が割り込んできた。 「えへへ……これね、内側にも同じようなのがついてるんだよ。だから私と祐ちゃん、一緒に気持ちよくなれるの」 「や、やめろ、瑞希。俺はこんなの──いやあっ。お願い、やめてっ。あああっ」 女々しい口調で泣き叫ぶ祐介の秘所にシリコン製のディルドがあてがわれ、ずぶずぶと膣内を押し広げていく。血の通わぬ張形に深々と貫かれ、祐介の額に脂汗が浮かんだ。 「ううっ、は、入ってる。苦しい……」 「入ったね、祐ちゃん。じゃあ、動くからね」 瑞希が腰を動かし、作り物のペニスが祐介の女性器を前後した。 ディルドの表面に施された細かな突起が肉ひだを擦り、本物によってもたらされるものとはやや異なる快感を脳髄にもたらした。祐介の足の先が内側に向けて丸まり、十七歳の体が色めく。 「ああっ、動かないでくれ……ああっ、ああんっ」 祐介は情けない声をあげ、瑞希の体を抱えて仰向けに倒れ込んだ。 上になった形の瑞希は祐介の細い腰をつかみ、リズミカルに体を打ちつけて愛しい少年の女を穿つ。その表情は祐介と愛し合う喜びで満たされていた。 「ああっ、祐ちゃん。気持ちいいようっ。これ私の体じゃないのに、すっごく気持ちいいのっ」 「だ、駄目なのに……こんなモノで気持ちよくなったら駄目なのに──ううっ、うっ。あああっ、イクっ、イクっ」 またも熱の波紋が祐介の全身に広がり、収縮した陰部が偽のペニスを噛み締める。満足に呼吸をすることさえ叶わず、祐介は舌を出して必死に酸素を求めた。自分が男だったことさえ忘れてしまいそうなほどに強烈なオーガズムだった。 (ヤバい。俺、このままじゃおかしくなっちまう。早く男に戻りたいのに、あいつの体でこんなにイカされて……) あまりのショックに頬を涙が伝う。自分は今、同級生の女子生徒の体になって、女教師の体になった恋人にレズセックスを強いられているのだ。 真理奈や升田だけでなく、信頼していた瑞希にさえ体をもてあそばれ、女のエクスタシーを繰り返し叩き込まれる。この上ない倒錯の体験に理性を奪われ、祐介は禁忌の法悦に魅了された。 瑞希の豊満な身体にしがみつき、祐介は艶めいた声で叫ぶ。 「ああっ、も、もう駄目──ああんっ、またイクっ。ああっ、あんっ、ああんっ」 「祐ちゃん、私もイキそうっ。ああっ、イクっ。瑞希イクのっ」 二人は抱き合ったまま、際限なくのぼりつめていく。 ペニスパンドで繋がった女子高生と女教師の肉体ががくがくと痙攣し、嬉し涙を流す祐介と瑞希を快感の頂へと連れていった。 前章に戻る 一覧に戻る |