僕と香穂の夏休み

 夏休みといっても、どこかに出かける訳でもない。絵日記をつけろと言われても、そうそう書くことなんてない訳で。
 僕は八月の暑い日々をずっとゴロゴロして過ごしていた。
「はあ……今日も暑いなあ……」
 お昼をちょっと回って、今が一日で一番暑い時間帯だろう。外を見下ろすと真っ白に燃えた太陽がジリジリ地面を焦がしている。理科の本で、星の光は赤い火よりも白とか青とかの炎の方が熱いって書いてたのを思い出した。まあ、あれとはまた少し違うのかもしれないけど。だって夕日は赤いしね。
 クーラーはちゃんとついてるから家の中は涼しい。おかげで外に出たくない。一日中ダラダラ寝て過ごすのが当たり前になっている。
 僕は塾には行ってないし、学校の宿題なんてもう適当にやってしまったし、パパやママがどこか楽しい場所に連れて行ってくれることもない。テレビとゲームがなければ、きっと毎日二十四時間寝ていただろう。
 元々僕はインドア派で、プールや昆虫採集なんてガラじゃない。子供は外に出て遊べなんて人もいるけど、それで熱射病で倒れたらどうするつもりなんだか。
「皆、どうしてるんだろ……健太は田舎に帰るって言ってたなあ」
 うちの家はパパもママもこの辺で生まれ育ったので、帰省する田舎なんてない。たまにどこかへ連れて行ってくれる年もあったけれど、今年はパパが仕事で忙しくて休みも取らずにスケジュールをみっちり詰めてしまったため、それも期待できそうになかった。
 今、僕はうちに一人でいる。ママはさっき買い物に出かけたけど、きっと近所のおばさん達と喫茶店で長々とお喋りしてくるだろうから帰ってくるのは夕方になると思う。一人の留守番にもすっかり慣れたもんだ。
 そんな訳で、僕はレベル上げでもしようとゲーム機のスイッチに手を伸ばした。
 そのとき呼び鈴が鳴り、玄関のドアが激しく叩かれた。
「優也、いるんでしょ !? 開けてぇっ!」
 無駄に元気一杯の女の子の声に、僕はため息をついて玄関へと向かう。一人で留守番中に出ちゃいけないって言われてるけど彼女は別だ。というかここで無視したら、後でどれだけ怒られるかわからない。僕はしぶしぶドアを開けてその女の子と向かい合った。
「……やっぱり香穂か」
「えへへ、暇でしょ? 遊びに来ちゃった」
 その子は上機嫌で僕に笑いかけた。白いタンクトップとデニムのハーフパンツからはほっそりした手足が伸びていて、それが見事な小麦色に焼けている。目線は僕よりほんの少しだけ高い。たった二、三センチの差なんだけど、あまりいい気はしない。
 この子は香穂。マンションの隣の部屋に住んでる遊び友達で、小学校のクラスメートでもある。小さい頃から活発――悪く言えば乱暴――で、結構なイタズラ好き。おかげで僕もよく泣かされたけど、あまり人に意地悪はしない。まあ何ていうか、自分にも他人にも正直で裏表のない子だった。
「またゲームしに来たの? いいよ、一緒にやろ」
 ドアに鍵をかけ室内に戻ってきた僕に、香穂は満面の笑みで言った。
「それは後で。今日は優也に教えてほしいことがあるんだ」
「ん、なに? 算数? 理科?」
 塾には行ってないけど僕の成績はそれなりに良くて、香穂の宿題を手伝うこともたまにある。昔からのつき合いだから仕方なくやってあげてるけど、最近はなんかそれも面倒になってきた。ただでさえ男子と女子が一緒にいるだけで周りからからかわれるってのに、家でも仲良くしてるだなんて、なかなか他の子に言えたもんじゃない。
 でも僕も押しが弱いというか、頼まれるとノーとは言えない性格だから困る。まあ確かに今は暇だし、軽く勉強してから一緒にゲームするとしよう。この子のことだから、どうせ算数の文章題か絵日記の書き方か、その辺がわからないんだろう。
 僕は香穂をカーペットの上に座らせ、折りたたみ式の小さなテーブルを用意した。
「それで、宿題のどこを教えてほしいの?」
「ううん、違うの」
 筆記用具を出してきた僕に、香穂は首を横に振って答えた。持ってきた手提げカバンの中から一冊の本を取り出して卓の上に広げてみせる。
「この本なんだけど、何の本かわかんないから優也に聞こうと思って」
「え……」
 最初に見えたのは紫色のスーツを着た、二十歳くらいの女の人だった。気持ちよさそうに目を細くして、自分のスカートをめくってパンツの中に指を入れて……。
「ち、ちょっと !? 香穂、これどうしたのさ !?」
 香穂が見せてきたのは、その、あれだ――いわゆるエッチな本というやつだ。お姉さんたちが裸になって抱き合ったり、男の人に抱っこされたり、そのほか僕にはよくわからないことをしていたけど、小学生の僕にもそれがエッチなことだというのは理解できた。
 でも、なんで香穂がこんなの僕んちに持ってくるのさ !?
 慌てて問いつめる僕に、香穂はきょとんとした顔で答えた。
「パパの本棚にあったから読んでみたんだけど、何が何だかわかんなくて……。優也、これ何の本なの? 体操? プロレス?」
「あのねえ、香穂……」
 僕は友達のあまりの無知ぶりに呆れてしまった。普通こういうことは女の子の方が進んでると思っていたのだけど、香穂の場合は違うようだ。本当に内容が理解できていないらしく、興味津々でエッチ本をのぞき込んでいる。
「優也、この人おちんちん舐めてるよ。おしっこするとこなのに汚くない?」
「あ、ほんとだ……汚いね。なんでこんなことするんだろ……」
 これがエッチなことだというのはわかるけど、僕にも大した知識がある訳じゃない。しかも中途半端に知っているものだから、その、好奇心というか、探究心というか……。
 気がつけば僕も香穂の隣に座って、恐る恐る本のページをめくっていた。
「ちゅーしてるね」
「……そうだね、ちゅーだね」
 そこに載っていた大人の男女は唇を繋げて抱き合っていた。どうでもいいけど、なんでキスするんだろう。ホントに気持ちいいんだろうか。
 横では香穂のぱっちりした目がエッチ本のキスシーンをじっと見つめている。その口が軽く開いて、真っ赤な舌が唇をぺろりと舐めた。その何でもない仕草に僕はなぜかドキドキして、香穂をまじまじと見つめてしまっていた。
「…………」
「優也、どうしたの?」
「いや、何でも……」
 視線に気づかれて思わず顔を横に向けたけど、彼女は誤魔化されはしなかった。僕の正面に回りこんで何とかこちらと目を合わせようとする。僕は彼女の顔を見れなくて、すっかり真っ赤になってうつむいてしまっていた。
 この子、普段は天然のくせに、こういうとこは無駄に勘がいいんだよなぁ……。
「どーしたの優也ぁ、変だよ? こっち向いてよお」
「べ、別にいいだろ……あっち行ってよ」
 彼女に顔をつかまれ無理やり目と目と合わされると、すごく近くに香穂の顔があった。どうしてだろう。見慣れたこいつの顔なのに、香穂を直視できない。のぼせて何が何だかわからなくなった僕に、無邪気に笑う香穂の顔が近づいてくる。
 ――ちゅっ……。
 とうとう触れ合った女の子の唇は、とても柔らかかった。しかしボクはパニックになって、喋れない口から抗議の声をあげようともがくだけ。
「んーっ! んんーっ !!」
「ん、んん……」
 香穂は離れない。ずっと僕とキスしたまま、目を閉じて僕をギューギュー抱きしめていた。真っ白な肌の僕と違い、こいつは全身こんがりと日焼けしている。色が逆だったらよかったのに。パニック状態の心でふとそう思った。
 ようやく香穂の顔が離れ、わずかな距離を挟んで向かい合う。僕の呼吸が落ち着かないのは酸欠なのもあるかもしれない。
「はぁ、はぁ――ふぅ、はあぁ……」
 その場にへたり込んで肩で息をする僕を見つめ、彼女はにっこり笑った。
「ほら、ちゅー♪ えへへ、ちゅーだけはわかったから」
 悪意の欠片もないあどけない笑顔。どうやらあの本の大人を見習って自分もキスがしてみたくなったらしい。バカ正直なやつだとは思ってたけど、ここまでくると本物のバカと訂正した方がいいかもしれない。
 僕の興奮を全く気にしない様子で、香穂は再びエッチ本を読み始めた。
「うーん、やっぱ変なの……なんでおちんちんなんてくわえるんだろ? ホントにこんなの気持ちいいのかなぁ」
「そうだね、香穂……やってみる?」
「え?」
 ボーっとしたままで思わずそう口走ってしまい、慌てて言い直そうとしたけど後の祭り。沸騰した頭が、もうどうにでもなれという投げやりな気分にさせてくる。気がつけば僕は自分の半ズボンに手をかけて香穂を誘っていた。
「香穂、僕のちんちん……舐めてみる?」
「…………」
 僕にも彼女にも、そうした知識があった訳じゃない。ただ子供らしく好奇心だけは強かったし、それにこのときの僕は香穂とのちゅーにすっかり冷静さを失くしていて、恥じらいもせず何でもやってみようという気になっていた。香穂もそんな僕の様子を不思議がっていたけど、すぐにうなずいてこっちに寄ってきた。
「いいよ。じゃあ優也、脱いで」
 僕はズボンとパンツを脱ぎ捨て、シャツと靴下だけのカッコで仁王立ちになった。香穂が自分の前にさらけ出された小さな象さんに興味津々の視線を向ける。まだ毛も生えていないおちんちんは縮み上がり、香穂の前でぷらぷら揺れた。
 彼女はためらいもなく僕のちんちんに手を伸ばし、棒の部分を指で挟む。
「……あれ、優也のおちんちん、前より大きくなった?」
「そんなことないと思う」
 最後に一緒にお風呂に入ったのはいつだっけ。二年生のときか三年生か……。あのときと比べてそんなに成長したとは思えない。きっと香穂の勘違いだろう。僕の股間に女の子の手が這わされ、ちんちんをいじくり回す。くすぐったい変な感触に、僕は声をあげて香穂を止めた。
「か、香穂。一旦ストップ、なんか変だよ……」
「そう? 優也のこれ、ちょっとずつ大きくなってきたんだけど。面白〜い……」
「あ……や、香穂、やめて……」
 抵抗しようとするけど力が出ない。香穂はそんな僕の様子を楽しそうに見つめ、タマタマをニギニギしたり竿を指で弾いたりとやりたい放題だった。
 そしてついにこの子が顔を近づけ、その場にへたり込んだ僕のちんちんを舐め始めた。
 ――ぺろっ……。
「ひゃあっ !?」
 おちんちんの先っちょをベロで撫でられ、僕の背中に電流が走る。こんなの汚いはずなのに。おしっこするところのはずなのに、香穂はちんちんをアイスキャンディのようにペロペロして面白そうな顔だった。ピンクの舌が僕のをこすり上げるたびに頭の中が熱くなる。しかも香穂のやつ、タマタマを手でマッサージしながら舐めてくるからたまったもんじゃない。
 うう、何か変な感じ……こいつ、こんなやり方どこで覚えたんだろ? ちんちんは彼女のせいでどんどん硬くなって、真上を向いて立ち上がっていく。
「あはっ♪ なんかピンピンしてきたよ、優也の」
「はぁ、はぁ……か、香穂のせいだろ……」
「あたしのせい? なんで?」
「香穂が、ペロペロするから……き、気持ちよくするから……」
「…………」
 僕の言葉に目をまん丸にした後、香穂は嬉しそうに笑った。その笑顔はとてもキレイで、今までで一番可愛らしかった。
「そっか、気持ちいいんだ。よかった」
 その言葉にドキリとさせられ、僕は言い返すことができなかった。なんでだろう。ちっちゃい頃から見慣れた香穂の顔なのに、どうしてこんなにドキドキするんだろう。僕、おかしくなっちゃったんだろうか。
 香穂は僕の下半身に覆いかぶさると、にこにこしてちんちんを握る。
「じゃ、くわえたげるね……」
 そう言ってぴんと立ったそれを口に含む。小さい香穂の口が思い切り開けられ、バナナやアイスキャンディみたいに僕のをくわえ込んだ。ちんちんに触れる舌や唾、粘膜の感触に僕は思わず声を上げてしまう。
「ああぁっ !!」
「……ふーや? ほひはほ?」
 頼むからくわえたまま喋らないでくれ。どうにかなっちゃいそうだ。爆発しそうな感情を何とか抑え込み、香穂の頭を撫でてみせる。
「だ、ダイジョブ……大丈夫だから、そのまま続けて」
「うん……」
 口の中で、こいつのベロが僕の先っちょをゴシゴシこする。まるで生き物みたいに不規則に動く香穂の舌は容赦なく僕を責めたて、必死に我慢していた情けない声を何度も何度もあげさせた。
「あぁあっ……はあっ、うああっ…… !!」
「んんっ……ふーや、ふーや……」
 僕の名前らしき言葉を呼びながら、上目遣いにこちらを眺める香穂の顔。いつもの無邪気で元気いっぱいの少女ではなく、男におねだりする女の顔がそこにあった。
 ああ、香穂がこんな顔するなんて……。ちんちんへの刺激と香穂への興奮で、僕の心はどんどん高ぶっていく。
 限界はすぐにやってきた。体の奥から何か熱いものがせり上がってくるのを感じ、僕は無意識のうちに香穂の頭を両手でつかんでいた。
「んんっ !?」
 ちんちんを口に入れたまま逃げられないようがっちり押さえ、奥の奥まで突き入れる。少し歯が当たったけど、その痛みも気持ちよさになって僕の爆発を助けてくれた。
 ――ドピュッ! ビュルゥッ!
 お漏らしだろうか。僕は少量のおしっこを香穂の口の中に噴射した。この子はびっくりして目を見開いたけど、僕に押さえられて離れることができない。香穂の口と喉が小さく動いて僕のおしっこを飲んでいくのが見えた。いきなりだったからとても苦しそうだ。
 正気にかえった僕は香穂を放してやる。
「かはっ! こほ、ごほっ!」
「ご、ごめん香穂……大丈夫だった?」
「う〜、優也ひどいよ……飲んじゃったよぉ〜」
「ごめん……おしっこ飲ませるなんて、ホントごめん……」
 半泣きになって咳き込み、こちらをにらんでくる彼女。僕も少々やりすぎたと思って反省し、必死で香穂に謝った。でも彼女は無理やりされたことを怒ってはいても、飲まされたのは別にいいらしかった。変なの。
 とにかく何とか香穂をなだめ、機嫌を直してもらう。
 再び笑顔になったこいつは、にんまりしてこう言った。
「じゃー優也、今度はあたしのを舐めてよ」
「……え?」
「あたしだけじゃ不公平でしょ? ほら、あたしのおしっこも飲んでよ」
「そ、そんな……」
 必死で嫌がったけど、香穂は許してくれないようだ。ハーフパンツを脱ぎ、その中の真っ白な下着を僕に見せびらかしてくる。どうでもいいけど、こいつもうちょっと恥じらいってものを持った方がいいんじゃないだろうか。
 僕の思いも虚しく、こいつはスルスルとパンツも脱ぎ、下に何もつけない姿になった。手足は小麦色に焼けているのにお腹やあそこの辺りはとても白くて、日焼けしてるとことしてないところの境界がはっきり見てとれる。まだ毛も生えていない香穂のあそこはツルツルで、ぴっちり割れ目が閉じられていた。
「ほら、おまんこ」
「……香穂、もうちょっと言い方考えろよ。ガキっぽいって」
「なによ、ジロジロ見ちゃって! 優也のエッチ!」
「そ、そりゃそうだろ……舐めろって言ったの、そっちじゃないか」
 僕が目を離せない、彼女の裸体。むっちりと柔らかい肉が全体について、小さい頃よりも少しだけ女の子っぽくなった気がする。僕も香穂も下半身は裸で、しかも僕のちんちんからはどろりとした液体が垂れている。よくはわからないけど、なんか僕たち、大変なことをしてるんじゃないだろうか。心の片隅でそう思ったけれど、もうどっちも止まりそうになかった。
 香穂のお腹の下は真っ裸、白のタンクトップでも隠せないつんつるてんの状態だ。今日はサンダルだったようで、靴下もはいてない。キレイな脚が丸見えだ。ニョキニョキ伸びた太ももが茶色で、それより上が白い素肌。そんな友達の裸を見つめ、僕はなぜか顔を赤くしていた。
「じゃあ優也、早くペロペロしてよ」
「わ、わかったよ……くそ」
 カーペットの上に香穂を体育座りさせ、脚の間に入り込む。茶色い太ももを左右に広げると、香穂の割れ目がはっきり見えた。もちろん女の子のそこなんて、僕は今まで見たことない。初めての光景だ。
 ――ほんとに女の子って、ちんちんないんだ……。
 わかってはいてもちょっとだけ驚いた僕は、そのままじっと観察を続けてしまった。縦に入った短い筋はおしっこする以外に、もう一つ大事な役目があるって聞いた。そう、ここは女の人が赤ちゃんを産むときの出口なんだ。
 でも香穂のここは子供だからか、とても赤ちゃんが通れるような大きさはない。というか、これじゃ指が入るかどうか……ホントにここ通るのかなあ?
 まあ香穂だって女の子な訳だし、将来はちゃんとママになれるんだろう、きっと。
「……優也? どうしたの、優也」
 催促するような彼女の視線を浴びながら、僕は女の子の体の秘密に思いを馳せていた。
 意を決して頭を差し込み、香穂のお股に顔をうずめる。汚い部分が顔の間近にあったけど、幸いおしっこの臭いはしなかった。でも、さすがに舐めるとなると抵抗が……僕の舌は香穂のそこを目の前にして震えていた。
「……もお、優也まだあ?」
「か、香穂……やっぱり舐めなきゃダメ?」
「当たり前でしょっ! あたしだって舐めたじゃん、しかも優也お漏らししてたし!」
「う、うん……」
 やっぱり逃げ道はないらしい。僕は目を閉じ、とうとう舌で香穂のそこを舐めだした。
 ――ぞりっ。
 ベロのザラザラした部分で割れ目の真ん中を撫で上げる。臭いはしないけれど、ちょっとしょっぱい味がした。汗ならいいけどおしっこならすごい嫌だ。
「ん、んん――ひゃっ !?」
 どうやらくすぐったいようで、頭上からは香穂の困惑した声が聞こえてくる。さっきの僕と同じで、声が自然に出てくる感じ。きっと抑えられないんだろう。僕は半分ヤケになって、もう半分は香穂の困る声がもっと聞きたくて夢中でそこを舐めた。両手の指で割れ目を広げ、ぱっくり開いた口にベロを突っ込む。表面だけじゃなく短い舌で届くだけ、中も外も乱暴に舐めまくった。
「んんっ……な、なんか変――あ、ああっ !?」
 香穂の声は止まらない。脇の下や脇腹をくすぐっても大騒ぎするけど、そういう声とはちょっと違う。いつものあれは笑いが我慢できないって感じだ。今のこれはなんだろう……表現が難しい。ちょっぴり嬉しそうなのは気のせいだろうか。やっぱりよくわからない。
 僕は顔を突き出し、唇で割れ目全体を覆った。そのままベロをブラシ代わりにして香穂のお股のど真ん中をゴシゴシこすっていく。
「や、やああ――んっ! はあ、やあんっ!」
 この子は両手で顔を押さえて声を漏らさないよう必死だけど、大した効果はないみたい。次から次に声が出てきて、なぜかそれが僕の興奮をそそる。
 ――もっとこうしていたい。香穂の声をもっと聞きたい。
 そんな気持ちがわいてきて、鼻息をフンフンいわせながらこいつの急所をくわえ込む。
 香穂の脚が閉じ、僕の頭を挟んだ。両手を自分の顔に当てるのはやめ、僕の頭を抱えてくる。ちょっと窮屈だったけど、その仕草が妙に可愛くて心の中で笑ってしまった。
「ああぁっ、ゆ、ゆーやっ! や、やめ、もうやめっ、ふああっ !!」
「ん、んんっ……ちゅっ、ずずぅっ……」
 なんか香穂はやめてほしいみたいだけど、僕の口は止まらない。割れ目の右も左もベロベロ舐めまくってドロドロ、すごく汚くなっちゃってる。この子もお漏らしを始めたのか中から水っぽい変なのが出てきてるし、けっこう大変な状況だ。
 でも僕はそんな香穂の姿にすっかり興奮して、またおちんちんを硬くしていた。なんで立っちゃうのかわかんないけど、とにかくこのまま続けよう。僕の口は魔法の武器になって香穂への連続攻撃を仕掛ける。
「ひっ、あひぃっ! いい、もういいからぁっ! ふうっ、はあぁんっ !!」
「……んむ?」
 そのとき、僕は目の前に異物を発見した。僕の頭を抱え込む香穂のせいであまりよく見えないけど、今舐めてる下のお口の上らへんに、何か小さな腫れ物みたいなのが見える気がする。いったい何だろ。
 僕はベロの先を伸ばし、そのおできみたいなのをちょこんと突っついてみた。
 すると――。
「ひいいぃっ !!?」
 こうかは ばつぐんだ! 香穂は思いっきり背を曲げて、上を向いて大騒ぎ。よくわからないけど、ここがこいつの弱点なんだろうか。僕は調子に乗って、香穂のそこを何度も突ついて舐めまくった。そのたびに彼女は大声をあげて僕の頭を締めつける。ちょっと痛い。
 そうしてしばらく攻撃を続けていると香穂がビクンビクンってなって、思い切り跳ねた。
「あふっ、やっ、いやあっ !! やああぁっ !!」
 全身がブルブル震えてたから僕もビックリしたけど、そのあと香穂の体はクタッて力が抜けて、カーペットの上にゴロンと寝転んでしまった。
 なんだろ……気絶しちゃったのかな?
 僕は舐めるのをやめて起き上がり、香穂の顔のところに回り込んだけど、こいつはグッタリして寝たまま、しんどそうに呼吸するだけで動かない。
 ――なんだろ、病気? 救急車、呼んだ方がいい?
 僕がその場でおろおろしていると、やっと香穂が目を覚まして僕を見上げた。細い目を僕に向けるこいつはなんかすっごく……気持ちよさそうに見える。なんでだろ。反応に困る僕に、香穂がゼイゼイ息をしながらつぶやいた。
「はあ、はあぁ……優也、すごい……すごかったよ」
「すごい? すごいって何が?」
「あのね……あたしね、こうキューってなってね、ヤケドしそうだったの」
「そう……よくわかんないけど、大丈夫ならいいや」
 そのあと僕たち二人はティッシュを出して汚れた体をキレイにした。カーペットは仕方ないから濡れ雑巾と乾いたティッシュで二回拭き、臭い消しのスプレーをかけた。クーラーの風を浴び、本をしまって服を着て、やっと元通りに落ち着いた気がする。
 二人ともいつものカッコに戻って、僕も香穂もまたその場に座り込んだ。
「はあ……なんか疲れた。大人ってしょっちゅうこんなことしてるのかなあ?」
「してるんじゃない? あたしだって気持ちよかったし」
「気持ちいい……気持ちいいんだ……」
 よくわかんないけど、香穂におちんちんをペロペロされるのはすごかったし、僕が香穂のあそこを舐めてるときもすごい反応だった。大人ってこんなことしてるんだ。僕は大きな秘密を知った気になって有頂天だった。
 そのとき、また香穂が声をかけてきた。
「ねえ優也。こっち来て」
「ん? 何だよ」
 座ったまま香穂の方にちょっと動くと、こいつは僕の体にぎゅっと抱きついてきた。正面からギューって密着して、僕の背中に手を回す。柔らかな感触が気持ちいい。気持ちいいけど、僕は真っ赤になって声を喉に詰まらせた。
 さっきまでもっとすごいことしてたのに、落ち着いた今は抱きつくだけでも恥ずかしい。戸惑う僕に、香穂のウキウキした声が聞こえてきた。
「えへへ〜! 優也、また今度、舐めあいっこしようね!」
「え、またするの……?」
「いいじゃんいいじゃん、あたしと優也のヒミツってことで!」
「秘密……秘密かあ……」
 楽しそうにはしゃぐ香穂が、なぜかとっても可愛く見える。僕、こいつが好きになっちゃったのかな? よくわかんないけど、悪い気はしない。また明日も誘ってみようか。長い夏休みが少し楽しくなりそうだ。
 僕は香穂と抱き合い、この子の背を優しく撫でた。


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