何もない穏やかな週末だった。 空はどこまでも青く空気も澄んでいて、家の外では気持ちのいい風が吹いている。 こんな絶好の天気だというのに、うちのクラブは練習一つしないという。だからいつもいつも地区大会ですぐに敗退するんだと思ったが、運動部にやる気がないのはうちの高校の伝統らしく、いつの間にか俺もそんな雰囲気に適応してしまっていた。 パジャマを着たままベッドに寝転がり、ケータイにメールが来ていないか確認をして、その後それを無造作に放り投げる。 朝には遅いが昼には早い、そんな時の隙間には弛緩した空気しか流れていなかった。 (そういや、今日は特に予定決めてなかったな……) 模様一つない天井を見上げ、俺はそのことに気がついた。 どこかに遊びに行くか、学生らしく真面目に勉強でもするか、それともこのままゴロゴロするか。しばらく考えた俺だったが、やはり納得のいく答えは出なかった。 「さーて、どうしたもんかな……」 何もない空間に手を伸ばして握りこむ。そんなことで何かを掴めるはずもなかったが、何となくそうしたかった。 そのとき唐突にドアが開き、一人の少女が顔を見せた。 「おはよう、啓一」 「ああ……おはよ、恵」 薄い桃色の唇にやや大きめの黒い瞳。 長い黒髪は真っ直ぐに肩から背中にさらさらと垂れている。 俺が言うのも何だが充分以上に可愛いと思う。学校でも評判の美少女でファンも多い。 水野恵、俺の双子の妹だった。生まれたときからずっと一緒で、心も体も通じ合った俺の分身。その女が薄い水色のパジャマ姿で、こちらにそっと微笑みかけている。 俺は寝たままで首だけを横に向け、静かに恵に問いかけた。 「今日どうする? どこか行くか?」 「んー、特に決めてないかな。でも今日はお父さんもお母さんも帰ってこないから、お昼だけじゃなくて晩ご飯も考えないとね」 「相変わらず、うちの親は放任主義だな」 苦笑して視線を真上に戻す俺。背中を覆う心地よいベッドの感触が、またしても眠気を脳に注ぎ込んでくる。 たまにはこんな、何もしない日があってもいいかもしれない。 すっかり怠惰になってしまった俺は、もうひと眠りしようと目を閉じた。 「飯のことはあとで考えよう。とりあえず俺は寝る」 そうして俺は、再び眠りの国の厄介になろうとした。したのだが。 「……こら啓一、また寝ちゃうつもり? こんないい天気なのに」 ごく至近から聞きなれた妹の声が聞こえて、俺が薄目を開けると、俺のベッドに腰掛けた恵が咎めるような目でこちらを見下ろしていた。 どうやら自分を置いて俺だけ寝てしまうのが気に入らないらしい。 再度目を閉じ、気だるい声で俺が答える。 「いいだろ別に……。どうせ今日は何もすることないし、俺とお前だけじゃん。たまにはぐっすり寝かしてくれてもいいじゃないか……」 「ダ〜メ! せっかく二人だけなのに、何にもせずに寝てたらもったいないよ。ねぇ……啓一、いいでしょ?」 そう言って恵は半分眠った俺に抱きついてきた。 ほのかな温もりと女体特有の柔らかさを武器に兄に襲いかかる。 「なんだ恵さん、添い寝してくれるんですか。ありがとうございます、じゃあおやすみ……ぐー」 「わかっててやってるでしょ……啓一のイジワルぅ!」 狭いベッドの上でぴったり密着して俺を抱き枕にする双子の妹。 温かさと安らぎと、いつもの心地よさが俺の心を優しく包み込む。 ――くちゅ……。 唇に触れてくる肉の感覚にはっとすると、視界一杯に妹の顔が広がっていた。 まるでアイスか飴のように俺の口をしゃぶる恵は、悪戯っぽい表情をたたえている。 「ん……どうだ、起きないとこうよ♪」 「……はぁ……」 ガキじゃあるまいし、何をやっているのやら……。 俺は少しばかり呆れてしまって、自分にまとわりついてくる相方を押しのけた。俺と恵では運動神経もおつむの出来も全く同じだが、力だけは俺の方に分がある。 危うくベッドから落ちそうになった恵は慌ててシーツにしがみつき、歯を食いしばってうらめしそうな顔で俺をにらんできた。 「うう……啓一、ひどい……」 「はいはい、ひどい兄貴で結構ですから。とにかく今日は眠らせて下さいよ、恵さん」 仰向けになって気分よくまぶたを閉じる俺。 だが恵はまだ諦めないのか、今度は寝ている俺の上にのしかかって下半身を押さえつけてきた。 「いいもん、それならこっちも実力行使だから」 こいつは何を考えているのか、いきなり俺のズボンを引きずりおろしてしまった。不意打ちだったこと、また頭の半ばを眠気が占領していたこともあって、俺は抵抗する間もなく大事なところを暴かれてしまう。 「ふっふ〜ん、啓一のおチンチン〜。ってことは私のおチンチン〜」 嬉しそうに兄の性器に手を伸ばす恵。もはやこうなってしまってはどうしようもない。俺は安眠を諦めざるをえなかった。 「……やれやれ。で、どうするんだ? 舐めてくれるのか、それともいきなり本番か」 「本番でもいいけど、すっかりしぼんじゃってるよね。もう、朝からやる気のない啓一……」 「すいません、俺だって眠いときぐらいあるんです。朝から晩までエロいことしか頭にない変態キモウトさんと一緒にしないでください」 「なんかすっごい馬鹿にされてない……? 私」 俺の当然の言い分も、残念ながらこいつを怒らせることしかできなかった。 細い眉をつり上げて俺に鋭い視線を送り、身を沈めて俺の性器に顔を近づける。小さな口から赤く細い舌が伸び、萎え萎えの俺の肉棒に唾をつけた。 ――ぴちゃ……ちゅる……。 優しく俺を愛撫する妹は、いつも通りの安心と快感でこちらを包み込んできた。細い指が握った棒の先を真っ赤な舌が蛇のようにチロチロと蠢き、ゆっくり尿道を刺激する。 どうでもいいけど、なんか小学生のときのリコーダーを思い出した。楽しそうに先っちょに息を吹きかけてくるあたり、きっとこいつも同じことを考えてるんだろうな。 身を起こしてよく手入れされた恵の髪をそっと撫でながら、俺は妹を奉仕させ続けた。 「んじゃ啓一……くわえてあげるね……」 いちいち言う必要もないことだが、改めてそう言われるとほんの少しだけ興奮する。自分のことを隅々まで知り尽くした妹に笑いかけ、俺は陰茎を少女に味わわせた。 大きくもない口を精一杯開けて俺のにかぶりつく恵の様子は、今さらだがやっぱエロい。 ――ちゅぱっ、くちゅくちゅ……ずずぅっ……。 目を閉じて一心に男の性器をくわえ込む妹の姿は俺だけのものだった。 優等生で後輩たちの憧れの的、清楚で優しい水野恵が、家ではこんなことをしているなんて学校では誰も思っていないだろう。当然、両親にも友人にも知られていない。 しかしその恵は、今こうして兄貴の肉棒をさも美味そうにしゃぶっている。俺の方も愛しげにそんな妹の頭を撫で、目を細めて微笑みかけていた。 窓から差し込んでくる明るい日差しの下、俺たちは静かに愛し合っている。 「ん……はぁっ……!」 唾と汁を唇から滴らせ、恵は荒い息を吐いて熱っぽい視線を俺に向けた。 手と口で散々に愛撫され、ようやく誇らしげにそそり立った俺の男。さすがに眠気も飛んでしまい、俺の頭の中は恵と繋がりたいという思いで一杯になっていた。 「じゃあいくぞ……でもそっち、濡れてるのか?」 「うん……ちゃんと手でいじってたから大丈夫だよ」 恵がパジャマの下とぱんつを脱ぐと、既にその股からはねっとりと露が垂れていた。 準備万端ということか。まったく我が相棒ながら用意のいいことで。 俺も下を脱ぎ捨てると発情した顔の妹を引き寄せ、四つんばいにして後ろを向かせた。恵の肉壷はヒクヒクと震え、今すぐ入れてくださいと言わんばかりだ。 我慢汁の漏れる肉棒を割れ目にぴっとりあてがい、そのまま貫こうとした、まさにそのとき。 「あ……啓一、待って」 突然恵が首をこちらに向け、頬を朱に染めて俺を制止した。 その言葉に俺は律儀に挿入をやめ、不審そうな目を妹に投げかける。 「どうした? まさかやめてほしいとか」 「そんな訳ないでしょ……でも、ちょっと姿勢変えてほしいかなーって……」 「ああ、はいはい……」 体の火照りのせいか、恵はぎこちない動作で体の前面をこちらに向けた。 どうやら座ったまま正面から、お互いの顔が見える姿勢でしたいようだ。 ちぇ、たまにはバックからがよかったんだけどな。 俺は恵を抱き寄せ、自分の上に座らせる形で妹の中に侵入していった。 ――ずぶ、ずちゅ……。 「あはっ……啓一ぃ……♪」 いかにも満足した顔で、恵の腕が俺の首に回される。 こいつは正常位、もしくは対面座位が大好きだ。なんでもお互いの顔が見えるし、二人で対等な気分になれるからだという。 なんかこいつ、最近妙に俺に対抗意識がある気がする。俺たちで争っても仕方ないってのにな。 そうして繋がったまま、俺たちはしばらく動かずに抱き合っていた。 ――とくん、とくん、とくん……。 ゆっくり、だが着実に速くなっていくお互いの心臓の音。 上半身はパジャマ姿だが下半身は素っ裸で繋がってるので、これはある意味全裸でセックスするよりもエロいかもしれない。 俺と同じことを恵も考えたようで、頭から湯気を出してこちらを見つめている。 「け……啓一」 「何だ?」 小さく呟かれる双子の妹の声。 「う、動かないの? さっきから私をぎゅーってしてるだけだけど……」 「うーん、そうだなあ」 当然の疑問に、上気した顔で俺が答える。 「これはこれで気持ちいいし、このままでいいんじゃないかって気もしてきた」 「な、何よそれ……」 恵の腰に手を回し、愛情を込めて細い体を抱きしめてやる。それに同調するように、少女も力の限り俺にしがみついてきた。 文字通り“抱く”という行為を満喫していた俺の耳元で恵が囁く。 「……で、いつまでこうしてるつもり?」 「うーん、そうだなあ」 先ほどと同じ言葉を返し、やる気のなさをさりげなくアピールする。 「なんか動くのも面倒だし、お前が腰振ってくれたらいいんだけど」 「こ、こんなにぎゅうぎゅうされてちゃ無理よ……ちょっと離して」 「うーん、そうだなあ」 三度目のセリフは遠回しな拒絶だった。恵もそれを敏感に察知したらしく、頬を不満そうに膨らませる。 「……まさか、このまま寝ちゃおうなんて考えてないでしょうね……?」 「いやいや、そんなことはないぞ?」 本当はそれもいいかなー、とか思ってしまったがそれは内緒だ。もっとも俺とこいつの間で隠し事なんてできないのだが。 俺は軽く息を吐き、恵を抱えたままベッドの端に移動した。 「な、何するのよ……」 とっさに俺の意図がわからず、不安の声をあげる妹。 そんな恵を無視し、俺は彼女と繋がったままで立ち上がった。 「きゃあっ !?」 まさか入れたまま担がれるとは思わなかったのだろう、恵の悲鳴があがる。 さすがに少しばかり重いが、まあこいつの体は華奢だから何とかならないでもない。 「け、啓一……何を―― !?」 「いや寝ると怒られるみたいだから、着替えようと思って」 俺の服はハンガーで壁にかけられている。 妹の膣の中に挿入したまま一歩一歩部屋の中を歩いていく俺。気分はまるで組体操だな。 だが恵は狼狽して、貫かれたまま身をよじった。 「ちょっと……下ろしてよぉ……っ !!」 「こらっ、暴れるな、チンポが……やめっ……!」 俺の体ががくがく震え、つい力が抜けて恵の体を支えられなくなる。 ということは、こいつの重みが体のある一点に集中してしまうわけで――。 思ったとおりに妹の腰がずり落ち、俺の肉棒が恵の中に、根元まで深々と突き刺さった。 「あ――いやぁっ !? はあぁぁあんっ !!」 ――ドク、ビュルルルッ……! 盛大に恵の中に出しながらも、俺は妹の体を床に落とさないよう必死で支えた。これはきつい。 まったく、お前が暴れるからこんなことになるんだぞ? 死にそうな顔で右手だけを伸ばし、壁にかかったTシャツを取ってベッドに放り投げる。 「はぁ、はぁあ……け、啓一ぃ……」 息を荒げて恵がうめく。俺の肉棒は一回の射精では足りなかったのか、依然硬いままだ。 両腕と肩の力を総動員して妹の体を支える。 くそ、できれば手伝ってほしいんだが。 しかし恵は俺に軽くしがみついただけでぐったりしてしまっていた。 とりあえずベッドに戻らなくては。俺は息も絶え絶えの状態で数メートルを歩き切り、無事にベッドに腰を下ろして恵の体を抱えなおした。 ――ドピュッ……! 「う……っ♪」 その拍子にまたも俺の子種が吹き出すが、幸いにも今回は少量で済んだ。 もう二人の繋がったところは様々な体液に彩られ、見るも無残な有様になってしまっている。 ベッドも床も汚れてしまったし、後始末が大変だなあ、これは。 だが俺はなぜか満ち満ちた気分で笑みを浮かべ、恵をきつく抱きしめていた。 「あ、はぁあ……はぁああ……!」 その恵はといえば、ずっと甘い息を吐いて喘いでいる。黒い大きな瞳を劣情に染め、唇からだらしなくよだれを垂らして虚ろな視線を上に向けた妹の顔は、この上なくエロかった。 「け……は、はぁ……け、啓一ぃ……」 苦しげな声が耳元に届く。恵の吐息は熱くて甘くて、俺にとっては至高の美食だった。 「……どうした、恵?」 ありったけの愛情を込めて妹に問いかける。 俺からは直接見えないが、きっと俺の顔もこいつと同じ表情を浮かべているに違いない。 そんな兄の耳に顔を寄せ、恵は一言だけを口にした。 「この……へ、変態……っ!」 「……いや、それお前もだし。てか、先に手出してきたのはそっちだろ?」 腰を動かし軽く膣を突き上げてやると、先っちょに当たる子宮の感触がコリコリと心地よかった。 「ひあぁっ…… !? や、やめてぇっ……!」 「ほらほら、言ってみろよ。水野恵は兄貴にチンポぶち込まれてよがってる変態だって」 「そぉ、それは……あんたも、でしょうっ…… !?」 俺が動くたびに繋がった性器はぶちゅぶちゅと音をたてて歓喜する。 てか自覚してないけど、お前だってしっかり腰振ってるじゃねーか。しかもこんなにぎゅうぎゅう俺にしがみついてきやがって、まったく素直じゃないな。 妹より多少の余裕を持って、俺はじっくりと恵の肉壷をかき回していく。 「はあぁんっ !? ――け、啓一ィッ !!!」 「ほら、一緒にイこうぜ……恵」 「う、はあぁぁぁあぁんっ !!!」 ――ドクッ、ドクドクドクゥッ !! 恵が絶頂に達したのは、三度目の射精と同時だった。 双子の片割れの精がもう片方の膣に注がれ、勢い良く子宮を目指す。 まあ、どんだけ出しても今は妊娠しないからいいんだけどさ。 「う――ふうぅぅ……」 さすがに意識が怪しくなってきた俺は、恵を抱いたままゴロンとベッドに仰向けになった。 恵の方も気を失ったのか、ハァハァ俺の上で息を乱すだけだ。 俺の肉棒はさすがにもう萎えてしぼんでしまっているが、気絶してる癖に恵が俺を離してくれないから抜くこともままならない。 まあ、別にいいか。ちょっと重いけどこのまま寝るとしよう。気楽に考え、俺は自分と繋がったままの妹を布団代わりにして意識を手放した。 目が覚めたのはいつだったろうか。 「――う……」 体の痛みを感じて目を覚ますと、空が橙色に染まりつつあった。 もう夕方か……早いもんだな。 次に俺が思ったのは、自分の不自然な姿勢のことだった。腰から下に何もはかず、性器を繋ぎ合わせたまま妹にのしかかられて寝ているのだ。肩は痛いし腰も痛むし、陰茎に至っては挿入しているという感覚そのものがなくなっている。寝ている間にまた何度か射精したのか、身体もシーツもどろどろに汚れてしまっていたし、こいつの全体重が俺の上にかかって重いわ、細い腕が回されて動きにくいわで非常に大変だ。 恵は恵で、ずっと俺に乗っかって寝てたから身体のあちこちが痛くなっているだろう。 俺は妹の肩をゆすり、とりあえずこいつを起こすことにした。 「恵、恵っ! おい、起きろ!」 「んん――なぁに……啓一ぃ……?」 あどけない子供のような寝顔で返事をする恵。 くそ、可愛い。なんかむかつく。 しばらくしてやっと恵も目が覚めて、眠そうな声でこちらに話しかけてきた。 「啓一……今、何時?」 「あー、四時半ってとこ……。すっかり眠っちまってたな。ははは」 「え、もう夕方 !? 何よそれ、私まで寝ちゃってたの !?」 突如慌てふためく妹を、俺は笑って誤魔化そうとする。 「しかもチンポ入れたまま半日……俺たちってすごいよなあ。あっはっは」 「ちょ――ちょっとっ !!? なんでまだ入れてるのよぉっ !?」 「そりゃ抜いてないからな。うーむ、俺は寝てる間に何発出したんだろうか……記憶にない」 「いいから抜いて、抜いてよぉっ !!」 ぽかぽかと両手で俺の頭を叩く恵。だが混乱しているのか、なかなか俺の上からどいてくれない。離れようと暴れれば暴れるほど結合部の感覚が回復して、快感となって脳を侵す。 「け、啓一――なんでまた硬くしてるのっ !? だから抜いてってばぁっ !!」 「いや、だからお前がどいてくれないと――まあいいや、ついでにもう一回しようか」 「あ、はぁ……っ !? け、啓一ぃ……あんたねえっ…… !!」 痛む腰を再び振り始めた俺と、甘い声で再び喘ぎ始めた恵。 馬鹿な双子の休日は、こうして訳のわからんうちに過ぎていくのだった。 戻る |