TSサスペンス
森と湖畔の湯けむり生首挿げ替え事件【中編】

作:せなちか



 しかし、現実は残酷でした。私の視界に入ってきたのは、膝丈のショートパンツと長袖のTシャツという、男の子の服装でした。これは私の弟、隼人の格好です。食卓の上には先ほどのメモ用紙が置かれており、そこにも私の予想を裏付けるように、「高橋隼人、十二歳」と書かれていました。私は自分の首から下が隼人の体になってしまったことを悟りました。
「い、いやあっ! 私の体が……!」
 あまりのショックに声が血の気が引きます。無理もありません。女子高校生の私の首から下だけが、男子小学生の弟の体になってしまったのですから。生きている人間の首が、まるでお人形のようにすげ替わってしまうなどと、とても信じられません。ですが、これは夢ではなく紛れもなく現実でした。
 私はわなわなと震える両手を、自分の顔の前に持ってきました。そこにあるのはきちんと手入れをした私の手ではなく、不恰好な爪を生やした男の子の手でした。
「皆さん、いかがですか? そうやって他人の体になるというのも、なかなか乙なものでしょう」
 真さんがそう言って、取り乱した私をあざ笑います。この人は人間じゃない、恐ろしい悪魔に違いないと私は確信しました。
「も、元に戻して! 私の体を元に戻してっ!」
 私はそう懇願しましたが、彼はあまり乗り気でない様子です。
「うーん、そんなことを言われてもねえ……せっかく頭を交換したんだから、そのままでいたらどう? きっと楽しいよ」
「こんなの、全然楽しくないわ! 私は私の体がいいの!」
「でも、皆はそう思ってはいないようだよ? ほら、見てごらん」
 真さんの意味ありげな視線は、私ではなく私の後ろに向けられていました。私は振り向きました。想像を絶する異様な事態が、そこにありました。
「姉ちゃん、見て見て。俺、こんな体になっちゃったよ」
 隼人が立ち上がって私に近寄ってきます。私は悲鳴をあげそうになりました。隼人は小学六年生にしては小柄で、背丈が私の肩の辺りまでしかありません。それなのに、今の弟の目線は私よりも随分と上にあったのです。
「は、隼人! あなた、どうなったの !?」
 私は隼人を見上げて訊ねます。その答えは訊くまでもなく、既に予想していました。でも、私は目の前にある悪夢のような現実を、受け入れたくはなかったのです。
「へへっ、見たらわかるだろ? 俺は女将さんの体になったんだよ」
 弟は手に持ったメモ用紙を自慢げに私に見せつけました。そこには丁寧な文字で「深田久美子、三十三歳」と記されています。それが女将さんの名前だということに私は気づきました。というのも、上品な水色の着物を着た大人の女性の身体が、隼人の顔の下にあったからです。隼人の首は、女将さんの体と繋ぎ合わされてしまったのです。首から上は小学生の男の子、首から下は着物姿の女将さんという不気味な姿に、私は気分が悪くなりました。
「でも、着物って動きにくいよなー。帯だって窮屈だし……お、これが女の人のおっぱいか。すげえ、うちの母ちゃんや姉ちゃんのよりもデカいじゃん。うひひ」
 隼人はすっかりいたずら小僧の表情になって、今や自分のものになった女将さんの体を撫で回します。私は目を剥きました。
「や、やめなさい、隼人! 人様の体を勝手に触っちゃダメ!」
「何言ってるんだよ、姉ちゃん? この体は、今は俺のものなんだぜ。自分の体を自分で触ってるんだから、別にいいだろ?」
「いいわけないでしょ! そんな下品なこと、絶対にダメ! お姉ちゃんの言うことを聞きなさいっ!」
「へっへーん! 俺はもう子供じゃないから、小学生の姉ちゃんの言うことなんて聞かないぞ! どれどれ、こっちはどうなってるのかな?」
 隼人は着物の裾をまくり、むっちりとした白い脚を晒します。取り乱している私と大違いで、弟はこの状況を楽しんでいるようでした。いくら私が止めても聞きません。取り押さえようとした私の方が、反対に隼人に押さえつけられてしまうありさまでした。
「やめて、隼人! この手を放しなさい!」
「いつもみたいに腕づくで言うことを聞かせようとしてもダメだぜ、姉ちゃん。今は俺が大人で、姉ちゃんがガキなんだからさ。力だって俺の方が上に決まってる」
 果たして隼人の言う通りでした。体が非力な小学生の男の子になってしまった私は、大人になった隼人に簡単に押さえ込まれてしまいます。まったく抵抗できません。
 そこに、もう一人の人物が加わりました。隼人に身体を奪われてしまった女将さんです。
「あらあら、私の体を気に入ってくださったみたいね。ふふふ……」
 女将さんは綺麗な顔に柔和な微笑を浮かべて、私たちの前にやってきます。女将さんは薄桃色のカットソーと紺のキュロットスカートを身につけていました。それは、ついさっきまで私が着ていた服でした。なんと私の大事な身体は、女将さんのものになっていたのです。
 私は隼人の体になって、隼人は女将さんの体になって、女将さんは私の体になっていました。私たち三人はちょうど三すくみとなる形で、自分たちの体を交換したのです。三者三様の不気味な風体に、私は頭がおかしくなってしまいそうでした。
「おばさん。俺、おばさんの体をもらったよ!」
「ええ、構わないわよ。代わりに、私はあなたのお姉さんの体を頂いたから。若い女の子の格好だから、少し恥ずかしいけれど……」
「ううん、そんなことないって。うちの姉ちゃんの体、おばさんによく似合ってるよ!」
「そう? 嬉しいわ。こんな短いスカートをはいたの、何年ぶりかしら……」
 二人の異常な会話に、私はとてもついていけませんでした。人の首を別人のものとすげ替えるということは、当人たちにとっては身体の首から下を交換するということでもあります。この二人は、大事な自分の体が他人のものになるということに、まったく抵抗がないように思えました。
 おそらく、これも真さんのしわざでしょう。きっと彼の催眠術にかかった人は正気を失い、この異様な状況を楽しむようになったのです。私は隼人の手から逃れようと暴れましたが、隼人と女将さんと、二人の大人の手にかかっては、どうしようもありませんでした。
 首がすげ替わってしまったのは、私たち三人だけではありません。身動きのとれない私の目に、よりいっそう絶望的な光景が飛び込んできました。
「ほう、今はこれが俺の体なのか……ふふふ、悪くないな。ええっと、この紙によると渡辺亜紀ちゃん、二十四歳か。やっぱり若いな。母さんとは違って肌がピチピチだ。それに、この肉づきのいい脚に、胸……きゃしゃな早苗ともまた違うな」
 こちらに背を向けていたウェイトレスさんが、男の人の声でそんなことを口走りました。その髪型から、私のお父さんだとわかります。私のお父さんの首は、ウェイトレスさんの体に繋ぎ合わされたようです。黒いワンピースの上に白のエプロンをつけた、二十四歳の女性の体。それが、今のお父さんの体なのです。
 お父さんは先ほどの隼人と同じように、自分の体を確かめるようにあちこち無遠慮にまさぐっていました。やっぱり親子だからでしょうか、それとも単に男の人だからでしょうか。自分の体が女性のものになったことに、お父さんは大いに興味があるようでした。みっともないその振る舞いに、私は恥ずかしくなりました。
「あら、お父さんったらお行儀が悪いわよ。今のお父さんは年頃のレディなんだから、もうちょっと慎みをもたないと」
 お父さんにそう注意したのは、私のお母さんでした。今のお母さんは、まるで子供みたいな体格でした。何しろ、隼人の体になった私よりも背が低いのです。背丈は、おそらく一メートルほどしかないでしょう。手足は折れてしまわないかと心配になるほど細く、真っ赤な可愛らしいスカートをはいています。そのスカートには見覚えがありました。それは菜々ちゃんのスカートでした。私のお母さんの首から下は、女将さんの娘である菜々ちゃんの体になってしまったのです。
「わーい! あたし、すっごく背が高くなったよ! 見て見てー!」
 と、満面の笑みで喜んでいるのは菜々ちゃんです。白いワイシャツに長ズボンを身に着けた中年男性の体が、可愛い菜々ちゃんの顔の下にありました。菜々ちゃんは私のお父さんの体になって、狭い座敷の中で嬉しそうに飛び跳ねていました。それはあまりにも奇怪な姿でした。この中で一番幼く小さかった菜々ちゃんが、今や一番長身になっているのです。
 そんな菜々ちゃんを、座敷の隅に正座したウェイトレスさんが優しい眼差しで見守っています。ウェイトレスさんは私のお母さんの体になっていました。自分の体を好き勝手にいじり回しているうちのお父さんのことは、特に気にしていないようです。
 まとめると、こういうことです。私のお父さんはウェイトレスさんの体になって、ウェイトレスさんは私のお母さんの体になって、お母さんは菜々ちゃんの体になって、菜々ちゃんは私のお父さんの体になっています。この四人はこういう体の入れ替わりが起きていました。私のお母さんの体になったウェイトレスさんは、同性でしかも大人ということもあり、あまり違和感はありませんが、他の三人はひどいありさまです。年齢も性別もバラバラで、皆、とても気味が悪い姿をしていました。
 結局、私たちの中で入れ替わっていない人は誰もいませんでした。見事に七人全員の体が入れ替わっています。皆、首がすげ替わったことにより、首から下が別人の体になってしまいました。全員が入れ替わったことをこの目で確認すると、私はますます暗い気持ちになりました。早く元の体に戻りたい。それだけを考えていました。
 すると、全ての元凶である真さんが、皆に向かって言いました。
「皆さん、いかがですか? 首から下だけが別人の体になって、とっても面白いでしょう。これからはそれが自分の体になるわけですから、大切にして下さいね」
 それを聞いて、私は耳を疑いました。彼の言い方だと、もう私たちは元の体には戻れないように思えたからです。私はてっきり、このあと元の体に戻してもらえるとばかり思っていたのです。皆は頭がおかしくなって今の状況を楽しんでいるようですが、私は元の体に戻りたいのです。このままずっと隼人の体でいないといけないなんて、絶対にご免です。
 しかし、私の望みは叶えられませんでした。私を除く六人は全員にこにこした顔でうなずいて、新しい体を得たことに対する感謝の言葉を口にしました。それを聞いて、私たちの首をすげ替えた真さんは、とても満足そうでした。
「さて、それじゃあ僕は自分の部屋に戻ります。皆さん、お疲れ様でした」
「ありがとうございました。ごゆっくりおやすみ下さい」
 私の体を手に入れた女将さんが、深々と頭を下げて真さんを送り出します。私は彼を引きとめようとしましたが、着物姿の隼人に押さえつけられてしまい、去ってゆく真さんをただ見送ることしかできませんでした。こうして、私たちは首がすげ替わったままになりました。
「ああ、面白かった。最高の宴会芸だな。俺も会社の宴会でこういうのを披露したいよ」
 ウェイトレスの格好をしたお父さんがそう感想を述べると、
「そうね。うふふ……見て、この可愛らしい手を。今の私の手、まるで紅葉の葉っぱみたい」
 と、幼稚園児の体になったお母さんが合いの手を打ちます。真さんがいなくなっても、依然として皆の頭はおかしくなったままでした。我に返って大騒ぎする人は誰もいません。私だけが取り残されていました。
 そのあと、女将さんはウェイトレスさんと一緒に食卓の後片づけを始めました。手際よく食器を運んでゆく二人の私服の女性の体は、元は私とお母さんの体でした。でも、今はこの旅館の女将さんとウェイトレスさんの体なのです。
 座敷を片づけながら、女将さんが言います。
「それでは、どうぞお部屋にお戻り下さい。このあと、お布団を敷きにうかがいます」
「そうですか。それじゃあ、部屋に戻るとするか。風呂にも入らないといけないしな」
 と、うなずいたお父さんですが、急にいやらしい顔になりました。「うへへ……今の俺の体、温泉に浸かってじっくり堪能するとしようか」
「ええ、是非そうなさって下さい」
 ウェイトレスさんが微笑みました。自分の体をお客さんに奪われてしまっても、平然としています。自分の首から下が子持ちの中年女性の体になってしまったことも、特に気にしていないようでした。
「そうだわ。せっかく体を交換したのですから、皆でお風呂というのはいかがですか? 私も皆様とご一緒したいんです」
 そう言い出したのは女将さんです。何でも、今日は宿泊客がほとんどいないらしく、大浴場をしばらくの間うちの貸切にしても、特に問題はないそうです。
「ええ、構いませんわ。そちらのウェイトレスさんも、ぜひご一緒にお願いします。どうか、お風呂でうちの主人に体のことをいろいろ教えて差し上げて下さいな。この人ったら、女の体になってすっかり舞い上がってしまって……」
「な、何を言ってるんだ。俺は別に……」
「はい、喜んでお世話しますね」
 というわけで話がまとまり、私たちは女将さんやウェイトレスさんと一緒にお風呂をいただくことになりました。私はこんな体でお風呂に入るなんて嫌でしたが、今の私に拒否権はありません。着物姿の隼人に首根っこをつかまれ、地下の大浴場へと連行されました。
「お風呂は貸切ですから、男女の別はございません。皆様ご一緒にどうぞ」
 と女将さんに言われ、私たちは全員で男湯に向かいます。ここのお風呂は男女で構造や大きさが異なり、時間交代制になっているそうですが、今は私たちの貸切です。脱衣場に入った私は、隼人に服を脱がされました。
「へへっ、楽しいな。姉ちゃんが俺の体になってるなんて」
 その言葉を聞いて、私はどうしようもなく落ち込みました。隼人が指摘したように、今の私の体は小学六年生の男の子のものです。元の自分の体を奪われ、男の子になって白いブリーフをはいている自分が、とてもみじめでたまりませんでした。
 そのブリーフも隼人に剥ぎ取られ、ついに私は素裸になってしまいます。まだほとんど毛の生えていない、皮を被ったお○んちんが、私の股の間に見えました。今、このお○んちんは私の体の一部です。他人と体が入れ替わるのはこういうことだと、私は改めて思い知りました。
 そんな私に見せつけるように、隼人は帯を解き、着物を脱いでいきます。先ほどまで女将さんのものだった肢体があらわになりました。全体的に丸みを帯びた、女性らしい柔らかなシルエットが魅力的です。今年で三十三歳だそうですが、二十代にしか見えませんでした。何しろ、きめ細やかな肌には染み一つなかったのですから。
「へー、これが今の俺の体か……おおっ、すげえ。おっぱいが揺れるー」
 隼人は両手を腰に当てて、体を揺らして胸元の膨らみが弾むのを楽しんでいました。その下品な行為を注意しようかとも思いましたが、言っても無駄なのはわかっているのでやめました。
 それにしても、見れば見るほど奇怪な外見です。首から下は艶かしい大人の女性の体なのに、その頭部だけが十二歳の少年のものなのです。世界中のどこを探しても、こんな姿の人間はいないでしょう。私は弟を気の毒に思いました。
「姉ちゃん、何をじっと見てるんだよ。スケベだなー」
 にやにや笑いを浮かべた隼人に突然そう言われ、私はびっくりしました。
「な、なんで私がスケベなのよ !? 私はただ、隼人の体が……」
「いや、スケベだろ。そんなにチ○コ硬くして、何言ってんだか」
「ええっ !?」
 そこで、私は自分の股間の変化に気がつきました。さっきまで私と同じようにうなだれていたはずの可愛いお○んちんが、いつの間にかムクムクと盛り上がり、斜め上を向いていたのです。初めて目にする男の子の体の神秘に、私は赤面しました。
「な、何なのよ、これはっ !? どうしてこんな風になっちゃうのよ!」
「そりゃあ、姉ちゃんがエッチなことを考えてるからだろ。男はエッチな気分になるとそうなっちゃうんだよ。ボッキって言ってね」
「そ、そんな……」
 信じられませんでした。男の人の生理現象……勃起と呼ばれる現象を、まさか自分が体験することになるなんて。隼人の説明によれば、男性はエッチな気分になると自然にこうなるものだそうです。しかし私は必死に首を振り、隼人の指摘を否定しました。
「ち、違う! 私はエッチなことなんて考えてないもんっ!」
「ウソつけよ、姉ちゃん。俺のセクシーな体を見て、興奮しちゃったんだろ? 正直に言えって。そしたら、このデカいおっぱいを触らせてやってもいいぜ」
 といって、隼人は大きな乳房を両手で持ち上げました。たぷたぷ揺れる二つの巨大な球が、男の私を誘惑します。女性の裸体に魅了されるのは、思春期を迎えた男の子としては当然の反応かもしれませんが、高校生の女の子である私にとっては耐え難いことでした。しかも、その相手が実の弟となればなおさらです。私は耳まで真っ赤にして、隼人の言動を否定しました。
「体は男でも、私は女よ! そんなのを見て興奮なんかしないわ!」
 そのとき、背後から声がかけられました。
「何を意地張ってるんだ、早苗。正直になった方が楽だぞ」
「お父さん! な、何をするの──きゃあっ !?」
 私の後ろにいたのはお父さんでした。既に裸になっています。いったい何をするかと思えば、後ろから手を伸ばし、私のお○んちんをギュっと握りしめたのです。その細く綺麗な指は、この旅館のウェイトレスさんのものでした。
「お、お父さんっ! 何してるの、やめて! そんなところを触らないでっ!」
 悲鳴をあげた私の耳元に、お父さんの生温かい吐息がかけられます。硬くなったお○んちんをつかまれた私は動くことができません。ここは男の急所だとよく言われますが、身をもってそれを実感しました。
「早苗、考えてもみろ。今のお前は女じゃなくて男だろう? 女の人の裸を見て興奮するのは、男にとっては当然の反応さ。何も恥ずかしがることはないんだ」
 そう言いながら、お父さんは指先でお○んちんを擦ってきます。ただ擦るだけではなく、お○んちんの皮を引っ張って剥いてきました。痛みを感じた私は「やめて!」と懇願しましたが、お父さんはやめません。大きなお乳を私の背中にグイグイと押しつけながら、お○んちんをすっかり剥いてしまいました。
「ほら、まだ終わりじゃないぞ。お父さんからのサービスだ、一発抜いてやるよ。子供の体とはいえ、お前も男になったんだから、こういうことも覚えておかなくちゃな。男はこうやって処理をするんだ。エロい本とかビデオを見ながらな」
「や、やめて……アソコが変になっちゃう。体が熱くて……ああんっ」
 皮が剥けても、そこで終わりではありませんでした。皮の中から現れたピンク色の先端を、お父さんはシュッ、シュッと擦り続けます。皮を剥かれた痛みはまだ消えていませんが、少しずつ痛みとは異なる感覚が湧き上がってきます。お父さんの細い指がお○んちんを擦るたび、電気を流されているかのような感覚が、私の体を駆け抜けました。
「ああっ、お父さんやめて。お○んちんが、お○んちんがっ」
「もうちょっと我慢しろ。そんなに長くはかからないはずだから。隼人、お前も手伝え。早苗を楽にしてやるんだ」
「うん、わかった。じゃあ俺は姉ちゃんの顔を、このデカいおっぱいでサンドイッチにしてやるよ。それで少しは気が紛れるだろ、うひひ……」
 私が苦しむ姿を面白そうに見ていた隼人でしたが、お父さんに指示されて私を正面から抱きしめます。私の顔が隼人の乳房に押しつけられました。呼吸が苦しくなると共に、大人の女性の体臭が私の鼻腔を刺激します。私の目から涙がこぼれました。
 二十代のウェイトレスさんの体を手に入れた父と、三十代の女将さんの体を得た弟。二人に責めたてられて、男の子の体になった私は気がふれてしまいそうです。お○んちんが破裂しそうなほど膨れて、ビクビクと脈動しました。自分の体の底から、熱い何かがせり上がってくるのがわかりました。
「ああ、ダメっ。な、何かくるっ。ああっ、あーっ」
 私が悲鳴をあげるのと同時に、お○んちんから透明の液体が噴き出しました。べとべとしたその生臭い液体は、一見して無色ですが、よく見ると薄い乳白色のようにも思えます。私のお○んちんから噴出した粘液は、脱衣場の床と目の前にいる隼人の脚を汚しました。私には、それが何なのかよくわかりませんでした。
「お、出たじゃないか。よかったな、早苗。立派な射○だったぞ」
「はあっ、はあ……射○?」
 私自身は最初、これはおしっこかと思いましたが、そうではありませんでした。この液体はなんと○液でした。女の子だったはずの私は、男の子として射○してしまったのです。あまりの衝撃に、私は言葉も出ませんでした。
 隼人は自分のむっちりした太ももについた○液を指ですくい、物珍しげに眺めています。今までの自分の身体から出てきたものなのに、まるで初めて見るようでした。
「父ちゃん、これって何なんだ?」
「なんだ、隼人。お前はまだ知らないのか。ひょっとして、今まで出したことがないのか? そうなると、今のが精通だったのかな」
「さあ、よくわからないけど……でも、なんかこの臭いを嗅いでると、変な気分になってくるんだよな。なんか急に体が熱くなるっていうか、この辺りがムズムズしてくるっていうか……」
 隼人は妙にもじもじして、自分の股間に手をやりながら、私が出した○液の臭いを嗅いでいます。その白い肌が、ほんの少しピンク色に染まっているような気がしました。
 お父さんは頬を赤くした隼人に言います。
「おいおい、隼人。お前、もしかして一発やりたくなったんじゃないだろうな? いくら女の体になったからっていっても、さすがにそれは──でも、俺もなんだかムラムラしてきたな……」
 話の途中で、お父さんは私のお○んちんに視線を向けます。その目はぎらつき、まるで獲物を前にした肉食獣のようでした。
 既に射○を終えた私のお○んちんですが、ぴんと立ち上がったまま変化がありません。「おかしいな、出したら萎むはずなんだが」とお父さんは言いますが、私の股間のお○んちんは精を放ってから、むしろ大きくなったように思えます。体の火照りも消えません。
 お父さんが再びお○んちんに手を伸ばします。繊細な女性の指が幹を握ると、先ほどよりもひと回り大きくなったお○んちんは、さらに硬度を増してお腹の方にそり返ります。とても十二歳の少年のものとは思えませんでした。小柄な体に不似合いな○ニスの表面には、太い血管が浮き出ていました。
「すごいな……これ、若い頃の俺くらいの大きさだぞ」
 どこかうっとりした声で、お父さんがつぶやきました。今やお父さんのものになったウェイトレスさんの繊細な手が、私のものになった隼人のお○んちんを撫で回します。形の整った爪が先端の割れ目を軽く引っかくと、私の口からため息が漏れました。脚がガクガク震えて、あやうく倒れそうになりました。正直に言えば、気持ちよかったのです。
「あああ……な、何がどうなってるの。お○んちんってこんなに大きくなるものなの?」
「いや、子供のものにしてはちょっと大きすぎるな。どうしてこうなったのかはわからんが……まあ、細かいことは気にするな。せっかくの巨根だ、俺も使わせてもらうか」
 お父さんはまるで酔っ払ったように顔を赤くして、私に寄り添います。お父さんの裸も、隼人に負けず劣らず女性としての魅力に満ち溢れていました。たしか、二十四歳のウェイトレスさんの身体でしたか。乳房は隼人のものとそう変わらないボリュームを誇り、硬く大きな乳首が上を向いています。それを見ているだけで、私のお○んちんはますます熱を帯びてしまいます。
 お父さんは私のお○んちんを片手で刺激しつつ、もう一方の手を自分の股間へと運びます。雫が肉に絡みつく小さな音が、私の鼓膜を震わせました。お父さんは私と自分と、両方の○器を手でいじり回しているのです。
「ああっ、あんっ。お、お父さん……」
「んっ、なかなかいいぞ。これが女のアソコか。熱くてとろけそうだ……よし、それじゃいよいよやってみるか」
「父ちゃん、まだ風呂に入らないの? 他の皆はもう行っちゃったよ」
 と、隼人。脱衣場には私たち三人以外、もう誰も残っていません。皆、温泉を堪能するため中に入っていったのです。
「まあ、いいじゃないか。あっちはあっちで楽しくやっていればいいさ。俺はそれよりも、今の自分の体をもっと知りたいんだよ。さあ早苗、ここに座れ」
 お父さんは自分のアソコの具合を確かめると、私を手近な椅子に座らせます。そして、私と向かい合う体勢で、私の太ももの上に腰を下ろしてきました。ちょうど、私のお○んちんがお父さんのアソコに当たる位置です。私はお父さんの意図を理解しました。
「お、お父さんっ。まさか挿れるつもり?」
「いいじゃないか。せっかくこんな立派なイチモツがあるんだ。使わないと損ってもんだろう。俺はこの体でいろんなことを経験してみたいし、早苗だってそうじゃないのか?」
「そ、それは……」
 お父さんの問いに、私は答えることができませんでした。ちょうど射○をした辺りから、急に頭の中がぼうっとして、難しいことを考えられなくなっていました。その代わり、もっと気持ちよくなりたいという欲求がどんどん高まってきます。どうせ抵抗できるものではないし、この際、状況に流された方が楽に決まっている……そんなことを考えました。
 もしかすると、私も皆と同じように狂気に囚われてしまったのかもしれません。結局、私はお父さんを止めることもせず、自分の逞しいお○んちんがお父さんの女○器の中に飲み込まれていく様子を、大人しく眺めていました。
「んんっ、チ○コが俺の穴に入ってくる……すごい、すごいぞ。これが女の感覚なのか」
「な、何これ? ヌルヌルしたのが、私のお○んちんに……あっ、ああんっ」
 私は声を抑えられませんでした。私のお○んちんが女の人のアソコと結合していました。蜜を滴らせた熱い肉が、私の敏感な部分にまとわりついてきます。これが男の人の○ックスの感覚なのだと、私は思い知りました。
 私はまだ男の人とつき合ったことはありませんし、もちろん男性経験もありません。それなのに、男として初めての性行為をしてしまったのです。しかも、その相手は女性になった実の父親です。異常極まりない事態でしたが、私にはお父さんにこの行為をやめさせることも、この脱衣場から逃れることもできませんでした。
 私のお○んちんをすっかりくわえ込んだお父さんは、舌なめずりをして腰をゆっくりと上下させます。そうすることで、お○んちんが抜けていったりまた入っていったりして、心地よい摩擦がもたらされるのです。初めて味わう男の○ックスの感覚に、私はひたすら翻弄されていました。
「あんっ、擦れちゃう。やめて、お父さん。動かないで……」
「ああ、いい気持ちだ。女の○ックスはたまらんなあ。こうやって自分が上になると、いい具合に体重がかかって深挿しできるんだよな。おっ、おおっ、たまらんっ」
 お父さんの身体がリズミカルに振動し、大きな乳房がたぷんたぷんと上下に揺れます。顔はだらしなく無精ひげを生やしたお父さんでも、その首から下はこの旅館のウェイトレスさんの体なのです。途中から、私はお父さんではなくウェイトレスさんと○ックスしているかのような気分になっていました。そうすることで、近親○姦の謗りを逃れることができると考えたからかもしれません。やがて禁忌を犯す嫌悪も薄れていき、あとはただ性行為に伴う快感だけが残ります。
 小学生のものとは思えないほど肥大した私のお○んちんは、お父さんのアソコの中を深々と貫きます。根元までぐっと挿入すると、先端がこつんと壁に当たる感覚がありました。女○器の一番奥にある部分──それは子宮の入り口のはずです。
「おほおっ、すげえ。早苗のものが俺の中をズンズン突いてくる。なんて気持ちいいんだ。特にこの、一番奥を突つかれる感覚が──ひいっ、おかしくなりそうだ」
「お、お父さん。私、もうダメ。出ちゃう……」
 私はハアハアと息を荒げて、限界が近いことをお父さんに知らせました。先ほど経験した、あの熱い衝動が体の奥から湧き上がってきます。それが射○と呼ばれる欲求であることを、私は既に知っていました。
 このままでは、私はお父さんの女○器の中で射○してしまいます。それはまずいと心の隅で思いました。いくら相手がお父さんであっても、その首から下は若い女性の体です。○内に射○したら妊娠してしまうかもしれません。
 ところが、お父さんは私の言葉を聞いてやめるどころか、ますます腰の動きを激しくしました。ズン、ズンと力強く抜き差しするお○んちんの感覚が、私をいっそう苛みます。もう耐えられませんでした。
「早苗、もう出るのか? よし、俺の中に思いっきり出していいぞ。お父さんと一緒にイこう」
「ダメっ。抜いて、お父さん。このままじゃ──ああっ、出る。出ちゃうっ」
 私の忍耐はそこまででした。小柄な身体がびくりと跳ねて、灼熱のマグマのような塊が体の中央にある弁から噴出していきます。男になって二度目の射○でした。凄まじい量の○液が、お父さんの女体に残らず注ぎ込まれていきました。
「おおっ、出てる。早苗が俺の中に出してる……ああ、イクっ。イクぞっ」
 たっぷりと私の○液を胎内に受け止めたお父さんは、大きく背筋を反らして叫びます。男の人の声だというのに、やけに色っぽい響きがありました。汗だくになった体が、ほんのりとピンク色に染まっていました。
「す、すげえ。○ックスってこんな風にするのか……」
 私たちの○交を傍らで見ていた隼人が、内股になって太ももを擦り合わせています。その長くて綺麗な指は、陰毛の生い茂った股間をまさぐっていました。小学生の隼人にとっては刺激が強すぎたのでしょう。私にとっても、今の行為は理性が吹き飛んでしまうほどの衝撃でした。
「ふふふ……気持ちよかったよ、早苗。また後でお父さんとしような」
 お父さんは立ち上がり、アソコから私のお○んちんをずるりと引き抜きます。陰部にぽっかりと開いた穴から、とろみのある白い液体がこぼれてきました。それが自分の体から出てきたものだと、私は信じられませんでした。いまだ雄々しく勃起したままの私のお○んちんに、隼人が物欲しげな視線を注いでいます。
「さて、やることはやったし……それじゃあ、体を綺麗に洗って、ゆっくり温泉に浸かるとするか。二人とも、行くぞ」
 汗と体液ですっかり体が汚れてしまった私たちは、湯気で曇ったガラス戸を引いて、大浴場に足を踏み入れました。気力も体力も消耗した私は、真っ直ぐ歩くこともできませんでしたが、お風呂に入ってゆっくり休めば少しはマシになるかもしれません。今の私には休息が必要でした。
 ところが、現実はそんなに甘くはありませんでした。湯気のたちこめる大浴場に入った私が見たのは、阿鼻叫喚の地獄絵図だったのです。








inserted by FC2 system