真理奈のいたずら 7

 升田はノートから顔を上げ、部屋の反対側を見つめた。
 カーペットの上に祐介が仰向けになって、安らかな寝息をたてている。暇を持て余して眠ってしまったようだ。
(あら、中川君ったら寝ちゃったの? せっかく勉強しに来たっていうのに、しょうがないわね)
「中川君──いえ、加藤さん。眠ったら駄目だよ。起きなさい」
 祐介の肩を揺さぶり、起きるように促す。こんな状況下であっても、教師としては居眠りした生徒を放っておけない。
 祐介の体を押すたび、胸元で豊満な膨らみが上下に揺れ動く。はなはだ奇妙な光景だった。セーラー服を身につけた艶やかな女子高生の体と、凛々しい男子生徒の頭部が一つになっているのだから。
(可哀想な子……でも、ひとのことは言えないわ。私だって中川君と同じですもの)
 升田は祐介を揺さぶる己の腕を眺めた。どう見ても女の細腕ではない。シャツの長袖に覆われた力強い腕は、元々は目の前にいる少年の所有物だった。
 腕だけではない。首から下の体の全てが、祐介のものと置き換わっていた。
「真理奈、寝ちゃったの? おーい、大丈夫?」
 この部屋の主である森田瑞希が、横から祐介の顔をのぞき込んだ。
「疲れてるみたいだし、放っておいたら?」という意見に升田は首肯する。
「まあ、仕方ないな。このまま寝かせておこう」
「じゃあ、あたしたちも休憩しよっか。それにしても、今日の祐ちゃんはすごいわねー。何を訊いてもすらすら答えてくれるし、教え方もまるで先生みたいにしっかりしてるし、なんか見直しちゃった」
「そ、そんなことないって……」
 升田は赤面した。瑞希は祐介が女教師と入れ替わっていることにいささかも気づかず、升田のことを祐介だと思い込んでいる。
(森田さんって中川君とつき合ってるのよね。なんだか騙してるみたいで、あんまりいい気がしないわ……)
 これも真理奈が用いた黒魔術のせいだとはいえ、女教師である自分が恋人のふりをして瑞希と接することに、後ろめたさを感じてしまう。
「どうしたの、祐ちゃん? そんなに変な顔をして」
「ううん、何でもない。俺も少し寝ようかな。今日は疲れた……」
 升田はベッドに上がって横になった。心労と疲労が重なり、思った以上に消耗している。同じ境遇にある祐介が居眠りしてしまうのも無理はなかった。
「祐ちゃん、お昼寝するの? じゃあ、あたしも一緒に寝ようかな」
 瑞希が明るい声で言い、ベッドに飛び乗ってくる。小柄な少女に密着されて升田は戸惑った。
「だ、駄目よ、森田さん。離れてちょうだい」
「あー、また気持ち悪い喋り方してる。それに、なんで離れなくちゃいけないの? 祐ちゃんはあたしの彼氏じゃない。くっつくくらい別にいいでしょ」
 瑞希は升田の胸に頭を押しつけ、嬉しそうに抱きついてくる。
「祐ちゃん、好き。祐ちゃん、大好き」という無邪気な愛の囁きが呪文のように繰り返されて、升田にきまり悪い思いを抱かせた。
(違う、私は中川君じゃない。本物の中川君はそこで寝ている女の子よ)
 そう教えてやりたがったが、肉体や立場が入れ替わってしまったなどと、到底信じられる話ではなかった。かといって自分を慕ってくる少女を拒絶するわけにもいかず、升田は瑞希のスキンシップを黙認するしかない。
(この子、本当に中川君のことが好きなんだわ。子供の頃からつき合ってる幼馴染みの間柄って言ってたわね。私のことを恋人だなんて思い込んで……)
 少女に異性としての好意を向けられていることに、升田は狼狽の色を隠せない。
 腰に瑞希の腕が回され、脚が脚に巻きつけられる。綺麗に染められた瑞希の茶色の髪から爽やかな香りが漂い、女教師の小鼻を撫でた。
(だ、駄目。そんなにくっつかれたら、体が反応しちゃう……)
 牡の本能を刺激され、股間がむくむくと盛り上がる。女子高生に抱きつかれて興奮してしまうなど、教師にあるまじき醜態だった。羞恥で顔が熱くなる。
「あれ? 祐ちゃん、ここ……」
 不意に瑞希があげた声に、升田は震え上がった。瑞希は升田に密着したまま腕を伸ばして下半身をまさぐってくる。硬くなった一物を、形のいい少女の指がズボン越しにつまみ上げた。
「あー、祐ちゃん、チンポが勃起してて苦しそうね。待ってて。今、あたしがヌいてあげるから」
 瑞希の口から卑猥な用語が飛び出し、升田を驚かせた。瑞希と祐介は恋人同士だと聞いたが、この様子では、単にプラトニックな間柄というわけではないようだ。
 升田は身をよじって瑞希の手から逃れようとする。
「や、やめて。触らないで……」
「どうして逃げるの、祐ちゃん? あたしは祐ちゃんの彼女なんだから、いくらでもエッチなことをしていいんだよ。わかったら早くその勃起チンポを出してよ」
 瑞希は強引だった。たじろぐ升田の下半身に覆いかぶさり、素早くズボンのベルトを外す。下着の中から取り出された升田の男性器は、既に充分な硬度を備えていた。
(ああ……おちんちんがこんなに大きくなってる。恥ずかしいわ……)
 潔癖な女教師の理性が自己嫌悪の泥沼に浸かる。性欲溢れる健全な男子高校生の肉体が恨めしかった。血液が凝縮したかのように熱くたぎるペニスが自分のものだと思うと、堪えがたい恐怖を覚えた。
「ふふっ、相変わらず素敵なチンポね。あたしのお腹をガンガン突いてくれる、たくましいチンポ……」
 瑞希はうっとりした様子で、上向いた陰茎の中ほどを握りしめる。少女のたおやかな手の感触に、升田の股間はいっそう熱を帯びた。
「やめなさい、森田さん。私たちは女同士なの。こんなことをしてはいけないのよ」
「今日の祐ちゃんはホントにどうしたの? こんなに立派なチンポがついてるのに、女のわけがないじゃない。ほら、くわえてあげるからじっとしててね」
「ち、違うの。森田さんは誤解してるわ。ああっ、やめてっ」
 升田の制止を無視して、瑞希は今や升田のものになっているペニスに顔を寄せた。唇が大きく開いて、血管の浮き出た肉塊を飲み込み始める。
(なんてこと。口いっぱいに頬張って……まだ子供のくせに、なんていやらしい顔をしてるの)
 勝ち気な表情の美少女が口を限界まで開けて、そそりたつ肉の棒を口内に納めた。男の欲望を煽る淫靡な光景に、女教師の胸が高鳴る。
 日頃からこうした行為を重ねているのか、瑞希は慣れた様子で積極的に陰茎を貪る。竿に唾液が絡みつき、粘膜に包まれた亀頭を舌が撫で回した。巧みな口淫によって、升田は徐々に追い詰められていく。
「いい加減にして、森田さん。そこに中川君が……あなたの彼氏が眠ってるのよ」
「ふふふ、何言ってるの? 祐ちゃんはあんたでしょ。あそこにいるのは真理奈じゃない。真理奈はあたしたちが恋人同士だって知ってるから、目の前でエッチしたって別に気にしないわよ。ほっときなさい」
 瑞希はにやりと笑い、赤い舌で幹の裏側を摩擦した。美貌の女子高生に奉仕され、升田は己を抑えられない。黒々とした男根がさらに膨張して、瑞希を喜ばせた。
(うう、女子生徒にこんなことをされて感じてしまうなんて。私は教師なのに。私も女なのに……)
 生徒の模範となるべき女教師の誇りが、卑しい牡の欲求に汚されていた。腹の底から卑しい衝動が湧き上がり、升田は浅ましい声をあげ続ける。射精の欲求が先走りの液体となって尿道口から溢れ、瑞希になめとられていった。
 だが、濃密な官能の時間は突然終わりを告げた。いまだ射精を迎えていない肉棒から、瑞希が口を離したのだ。
(ああっ、どうしてやめちゃうの? もう少しでイキそうだったのに……)
 升田は恨めしい眼差しで瑞希を見つめたが、すぐにそれが常軌を逸した発想だと気づく。女でありながら射精できなかったことに不満を覚えるなど、とても許されることではなかった。
「ふふふ、物欲しそうな顔して……そんなにザーメンをぶちまけたいの? 祐ちゃんはホントにスケベな男の子よねえ」
「ち、違う。私はそんな人間じゃないわ……」
 青ざめる升田の前で、瑞希は自分が着ていたセーラー服を脱ぎ始める。年端もいかぬ子供のようにきゃしゃな少女の体から、升田は目が離せない。
「ねえ、祐介。今度はあたしを気持ちよくしてよ。ちゃんとあたしを満足させられたら、チンポをここにハメさせてあげるからさ」
 瑞希はソックス以外の衣類を全て脱ぎ捨てると、白いベッドの上で脚を開いて升田を誘う。升田はごくりと唾を飲み込み、小さな女子高生の陰部に見入った。
(森田さんのアソコ、ほとんど毛が生えていない。割れ目も細くて綺麗だし、まるで子供みたいだわ……)
 白い素肌に刻まれた細い縦の筋は、本当に男のものを受け入れることができるのだろうかという疑念を抱かせる。しかし瑞希はそこに自らの手をあてがい、恥ずかしがるでもなく肉びらを左右に広げた。秘所の内部がさらけ出された。鮮やかなサーモンピンクの膜が連なり、升田の目を惹きつける。
「ぼーっと見てないで触ってよ。ひとりでやってても面白くないじゃない」
「え? で、でも……」
「いいから早く。祐介はあたしの彼氏でしょ? 恋人同士なんだから、エッチなことをするのが当たり前なのよ」
 瑞希は躊躇する升田を見上げ、強い口調で言う。その瞳が怪しげな光を放ち、升田の抗弁を遮った。
(そうね、たしかに森田さんの言う通りだわ。今の私は中川君になってるんだから、恋人の森田さんとエッチなことをしてもいいのよね。今はそれが当たり前なのよね……)
 瑞希と目を合わせていると、心の中にこの少女に対するいとおしさが湧き上がってくる。どうにも我慢ができなくなって、升田は瑞希のきゃしゃな裸体を抱き寄せた。
「も、森田さん……」
 瑞希の胸に顔をうずめ、繊細な素肌に口づける。ほんの少し膨らんだ乳房から首筋にかけて、唾液をまぶしながら唇を滑らせた。
「ふふっ、いいわ。下もお願い……」
 か細い手に導かれて、升田は瑞希の陰部をまさぐる。
 ろくに毛の生えていない女性器に指を這わせていると、無垢な子供を汚しているかのような罪悪感に胸が締めつけられる。それでも升田は手を止めることなく、瑞希の肌を味わいながら女陰をこねた。
 唾に濡れた指でクチュクチュと膣の入り口をかき回すと、瑞希は赤ら顔で喘いだ。
「ああっ、祐介……」
 瞳を淫らな色に染め、喉から声をしぼり出す妖艶な少女の姿に、升田は高揚せずにはいられなかった。瑞希の顎を持ち上げ、淡い紅色の舌にむしゃぶりつく。呼吸をするのももどかしく、貪るように瑞希の唇を味わった。
(私ったら、森田さんとキスしてる。女同士でこんないやらしいことをするなんて……)
 あまりに大それたことをしている自分が信じられなかったが、仕方がない、仕方がないのだと己に言い聞かせて接吻を続ける。
 たとえ元は女同士であっても、今は恋人同士の男と女に違いない。そう思えば、こうして唇を重ねて唾液をすすり合う行為も、決して不自然ではなかった。
 事実、瑞希は升田のことを完全に祐介だと思い込み、半ば目を閉じた恍惚の表情で彼女の舌に自分のものを絡めている。
 陰部で升田の指が蠢くたび、ぴくぴくと小刻みに痙攣するのが愛らしい。
(なんだか変な気分になってきたわ……女の子とキスするのって、こんなに気持ちいいことだったの)
 女子生徒の間違った愛情が、女教師の認識を歪める。股間の肉棒が硬度を増し、目の前の少女との交わりをいっそう求めた。
「ふふふ……祐介ったら、チンポをビンビンにしちゃって。いやらしいわね」
「わ、私は……」
 なんと返事すればいいのかわからず、升田は瑞希の体を抱いたまま沈黙する。
 すると瑞希はその場に仰向けに寝転がり、何も隠すものがない股間を升田に見せつけた。
「でも、本番はもうちょっとおあずけよ。今度はあたしのここをなめなさい。あたしをクンニでイカせてくれたら、最後までエッチさせてあげる」
「えっ、そんなところをなめるの? 汚いわ……」
 升田の頬が赤く染まった。女性の局部に舌を這わせた経験など、無論あるはずがない。しかし瑞希は大きく股を広げ、女性器に口をつけるよう再三要求してくる。
「だから、いちいち遠慮することはないんだってば。あんたはあたしの彼氏でしょ? クンニくらいするのが当たり前じゃない。っていうか、男だったら自分から進んでやりたがるもんよ」
 瑞希の瞳が不気味な光を放ち、升田から抗う意思を奪う。頭がぼんやりして、何も考えられなくなった。
「そ、そうよね。私は森田さんの彼氏なんだから、どんなにエッチなことをしてもいいのよね……」
「うん、そうそう。わかったら早くしてよ。ほらほら」
「ええ、わかったわ……」
 羞恥心を無くした女教師は瑞希の下半身に覆いかぶさり、命じられるまま膣口をねぶり始めた。細い肉の割れ目に舌をこすりつけると、薄い縮れ毛が表面にまとわりついてこそばゆい。
「ふふふ……いい子ね。その調子よ」
 機嫌をよくした瑞希が升田の髪を撫でる。誉められているのが嬉しくなって、升田は熱心に舌を動かした。教師としての矜持を忘れ、瑞希の恋人の少年になりきっていた。
 瑞希も興奮しているのか、性器から分泌される液体が少しずつ量を増している。酸味を帯びた蜜の香りが升田の鼻孔を刺激し、獣性をいっそう煽った。股間でドクドクと脈打つ肉の刀に、自分はもはや女ではないのだと痛感させられた。
(私は男……森田さんの恋人の男子高校生、中川祐介……)
 先ほどの瑞希の言葉が蘇り、升田の理性を麻痺させる。手がひとりでに動いて瑞希の入り口を広げた。衝動のままに舌先で穴をほじくり、可愛らしい花びらの隙間に侵入させた。
「うっ、ううんっ。舌が中に……そうよ、もっと奥まで入ってきて……」
 瑞希は陰部をひくつかせて、升田の舌を奥へといざなう。女教師の高い鼻梁がなだらかな股間の膨らみに当たり、顔の下半分が汁で汚れた。
 小柄な瑞希の内部は当然狭い。長く伸ばした舌が肉の扉に挟まれ、ぬるぬると擦られる。ゆっくり舌を出し入れしながら、升田は瑞希の体液を飲み下す。生暖かい塊を嚥下すると、腹の底がじんと疼いた。
「ううっ、なんかあたしもエッチな気分になってきちゃった……あん、あんっ」
 頭上から陶然とした少女の吐息が降りかかった。
 瑞希は輝く茶髪を振り乱し、腰を揺らして升田の舌づかいを堪能している。自分がこの少女を満足させているのだと思うと、誇らしい心地だった。
(まだ高校生なのに、森田さんったらこんなにいやらしい声を出して……ああ、どんどんエッチな気分になっちゃう)
 性欲が増大するにつれ、ただ瑞希に奉仕するだけでは物足りなくなってくる。体の芯がかあっと熱くなり、ひと雫の粘液がペニスの先端からしたたり落ちた。
(おちんちんがはちきれそう。私のおちんちん、セックスしたがってるんだわ……)
 自分が瑞希との交わりを求めていることをはっきりと意識する。升田だけではなく、陰部に吸いつかれて艶かしい喘ぎ声をあげている瑞希も、それを望んでいるに違いなかった。
 瑞希を絶頂へと導くため、升田は愛しい少女の割れ目に顔を押しつけ、胎内をかき混ぜる。少しずつ漏れ出してくる蜜を唇をすぼめて吸い上げると、じゅるじゅると下品な音が耳朶に触れた。
 浅ましすぎる己の恥態にも、今の升田が羞恥を覚えることはない。犬が水を飲むようにして瑞希の股間をなめ回した。
「ちょっ、ちょっと待って。そんなにされたら、マジでイっちゃう……ああっ、あふっ」
 瑞希は升田の頭を両手で押さえ、かん高い声をあげて悶えた。激しさを増す淫らな責め苦に余裕をなくし、いやいやと首を左右に振り続けた。女子高生のあられもない姿に、女教師だった少年はますます興奮をかきたてられる。
(うふふ……いいわよ、森田さん。私が見ててあげるから、好きなだけイっちゃいなさい)
 胸の内に暗い欲望が広がり、歯止めが効かなくなる。升田は舌を淫靡に蠢かせ、膣口の上部にある突起をこねた。充血してぷっくり膨れた肉の芽をしゃぶられ、瑞希の呼吸が引きつった。
「ダ、ダメ、イクっ。あっ、ああっ、ああっ」
 後頭部をシーツに沈めて、切れ切れにうめく瑞希。その四肢の先までが電流がはしったように痙攣し、背筋が弓なりに反り返った。
 可憐な美少女のアクメを目の当たりにして、升田はごくりと唾を飲み込んだ。
(森田さん、イっちゃったの? 私がアソコをなめて、この子をイカせた……)
 男として初めての喜びに身震いする。己の内に確固たる自信が湧きあがっていた。自然と唇がつり上がり、邪な笑みを浮かべてしまう。
「ふふっ、望み通りにイカせてあげたわよ、森田さん。気持ちよかった?」
「う、うん。えへへ……あたし、瑞希の体でイカされちゃった……」
 瑞希は力のない声でつぶやき、満足げに吐息をつく。升田はそんな彼女の両脚に自分の腕を回して持ち上げ、下半身を上向かせた。
「あっ、何する気?」
「何って、続きをするんじゃない。森田さんをイカせたらセックスさせてくれるって約束でしょう? 私、もう我慢できないわ。森田さんと最後までしたいの」
 升田はそう言って、己の下腹部に目を落とした。黒いズボンの中からはたくましいペニスが伸び、雄々しく反り返っている。卑しい汁にまみれた亀頭を入り口にあてがうと、瑞希は楽しそうに笑いだした。
「あはははっ、すっかりその体が気に入ったみたいね。いいわ、あんたのチンポをハメさせたげる。ほら、来なさいよ」
 ベッドに肘をついて艶然と微笑み、瑞希は升田を呼ぶ。升田もそれに応えて腰を押し出した。傘の開いた男性器が、瑞希の中にずぶりとめり込んだ。
(いよいよね。私、森田さんとセックスするんだわ……)
 借り物の体で女子生徒と交わることに、もはや罪の意識はない。異性の肉体で味わう快感とは一体どんなものなのだろうか、という好奇心が頭をもたげる。牡の欲望に忠誠を誓った升田はだらしなく頬を緩ませ、ペニスを女体に突き入れた。
 狭い肉の門をズンと貫くと、温かくぬるぬるした感触に包まれる。謹厳実直な女教師が童貞を失った瞬間だった。
(こ、これが森田さんの中なの。私、女の子とセックスしてるんだわ……)
「ああっ、ハメられてる。すごく大きい……ふう、ふうっ」
 瑞希は小学生に間違えられるほど小柄な身体を引き絞り、太い陰茎を健気にくわえ込む。窮屈な膣内に連なるひだが幹に吸いつき、升田を喘がせた。
「す、すごい。私、男の体でセックスをしているのね」
「ふふふ、何言ってるの? あんたは最初から男でしょうが。あんたは瑞希の彼氏の祐介で、他の誰でもないじゃない。そうでしょ?」
「ええ、そうね。私は祐介、瑞希さんの彼氏……」
 自分に言い聞かせながら、升田は瑞希の中に深々とペニスを埋め込んだ。肉の隘路を進んでいくと、やがて亀頭が袋小路に入り込み、秘部の最奥に到達したのだと気づく。
 升田は息を止めて意識をペニスに集中させた。美貌の女子高生の胎内が、隅々まで男性器で満たされていた。
(瑞希さんの中、きつくて……私のおちんちんをぎゅうぎゅう締めつけてくる。なんて気持ちがいいの……今にもイってしまいそう)
 陰茎を痛いほど挟み込まれ、射精の衝動が湧きあがる。升田は歯を食いしばってその誘惑に耐えた。繋がったまま瑞希の腰を下ろしてベッドに寝かせ、おそるおそる抜き差しを始める。
「ああっ、いいっ。ズポズポされるの、気持ちいいっ」
 不規則に繰り返される前後運動に、瑞希はうち震える。膣の分泌する液体が量を増し、結合部を滑らかにした。貫くたびに泡が弾け、淫猥な音色が男女を狂わせる。
「はあっ、はあっ。お、おちんちんが中で擦れて、ああ……駄目、腰が抜けちゃう……」
 升田は呼吸を乱して瑞希を穿つ。若い牡の生殖器から生み出される野性の刺激が、瞬く間に女教師を虜にした。
 目を血走らせ、鼻息荒く女子高生の肉体を必死で貪る姿は、礼節をわきまえた大人の女性のものとはほど遠い。性交の仕方を覚えたばかりの物馴れぬ少年と、何ら違いがなかった。
「祐介、もっと突いてっ。あたしのオマンコ、ぶっといチンポでかき回してっ」
 瑞希は美しい顔を歪めて激しい突き込みを乞い願った。卑猥な懇願が升田をいっそう奮い立たせる。女陰を貫く肉塊が前後に動きながら膨れ上がり、少女を内側から押し広げた。
「ああんっ、そうよ。祐介、素敵っ」
「み、瑞希さんも素敵だわ。熱くてトロトロして……ううっ、おちんちんが溶かされちゃう」
 紅を塗られた唇の隙間から感嘆の吐息がこぼれ、瑞希の顔に降りかかる。升田の体の下で瑞希は妖艶な仕草で腰をくねらせ、男子高校生のペニスを堪能していた。
 極上の快楽を与えてくれる少女が無性にいとおしくなって、升田は瑞希にのしかかる。裸体を抱きしめ唇を重ねた。
(瑞希さん、好きよ。愛してる)
 本来あるはずのない慕情が升田を駆り立て、情熱的な接吻を強制した。突然の行為に驚く瑞希の前歯を押しのけ、舌を口内に差し込んだ。唾液が混じり合い、二人の体温を高める。
 体の下半分では、互いの陰部が変わらず相手を求め合っていた。雁首が執拗に膣壁を摩擦し、熱い体液の塊をこそげとる。突いては引き抜く荒々しいピストン運動を、自分でも止めることができない。
 セックスとはこんなにも素晴らしいものだったのかとつくづく思った。女だったときは想像もしなかった牡の交尾の魅力に、升田は天にも昇る心地だった。
「瑞希さん、好きっ。瑞希さんっ」
「ああっ、あっ、あんっ。ゆ、祐介っ」
 瑞希も瞳を情愛の色に染め、恋人の名を呼んだ。
 先ほどアクメを迎えたばかりの体は淡い桃色に火照り、再びの絶頂が間近に迫っていることを示していた。
 升田は瑞希の細い腰をわしづかみにして動きを速めた。パン、パンと音をたてて肉と肉とがぶつかり合い、少女を性感の頂に追いやる。
「ダ、ダメっ。こんなの、激しすぎて耐えられない……また瑞希の体でイカされちゃうよおっ」
「瑞希さん、イって! 私も一緒にイクから! あっ、ああっ」
「そ、そんな、いやあ──イ、イクっ。瑞希、イクっ!」
 瑞希の全身がぶるぶる震えて、目から意思の光が失われる。間髪入れず升田は肉棒を一気に奥まで押し込み、それまで堪えていた欲望を解き放った。
 十七歳のペニスから白いマグマが噴き出し、瑞希を襲う。己の胎内を蹂躙する精の奔流に、瑞希は裸体を痙攣させて悶えた。
「ああああ……で、出てる。いっぱい中出しされちゃってる。んっ、んふっ、気持ちよすぎる……」
「ううん……私、射精してるのね。本当に最高だわ。癖になっちゃう……」
 升田は小刻みに震える瑞希の体を押さえつけ、結合部を緩慢な動作でかき混ぜる。股間に力を込めると尿道に残っていた精の雫が押し出され、瑞希の秘裂に染み込んでいった。
 いまだ受精の経験がない女性器に子種を余さず注ぎ込み、升田はようやく肉棒を引き抜く。丸く広がった膣口から、とろみのある液体が漏れ出してベッドを汚した。
「はあ……ありがとう、瑞希さん。とっても気持ちよかったわ。それに、なんだか頭の中がすっきりして気分がいいの。まるで悩みごとが全部なくなったみたい」
「あら、そう? ふふふ……うまくいったみたいね。そんなに男の体が気に入った?」
 瑞希は不敵に笑いながら、升田を見上げて問いかけた。升田は上機嫌でうなずく。
「ええ、気に入ったわ。私ったら、どうして元の体に戻りたいなんて思っていたのかしら。男の子になるって、こんなに幸せなことなのに……」
「その口ぶりだと、もう元に戻りたくないって言ってるように聞こえるわね。生徒から借りた体を返したくないだなんて、一体どういうつもり?」
「だ、だって……男の子の体が気持ちよすぎるんだもの。それに元に戻らなかったら、もう一度私は高校生活をやり直せるのよ。中川君には悪いけど、できれば一生このままでいたいわ……」
 今までの自分では考えられない言葉が、すらすらと口をついて出てくる。若々しい少年の肉体と立場を手に入れ、人生を途中からやり直すというのは、そろそろ中年の域に差し掛かりつつある女教師にとって、この上なく魅力的な誘惑だった。
「ふふふ……そうね、それがいいわね。あんたは今から、身も心も男子高校生の中川祐介よ。お堅い先生だった頃のことはもう忘れなさい。いいわね? これからはあたしの彼氏としていっぱいエッチして、あたしを満足させるのよ」
「わかったわ。これからよろしくね、瑞希さん」
 升田は瑞希の手をとり、祐介に代わって愛を誓った。
 なぜ事情を知らないはずの瑞希がこのようなことを口にするのかまるでわからなかったが、とにかく今までの自分を捨ててこの可憐な少女と新たな人生を始めるのだと思うと、我知らず有頂天になってしまい、些細なことを気にする余裕はなかった。
「さあ、納得したところで早速、もう一発するわよ。あんたが祐介になったお祝いに、今日は涸れるまで搾りとってあげる」
 といって、瑞希は細い腕を伸ばして萎えたペニスを握りしめた。最愛の女性の手に撫でられ、何度も精を放って萎えたはずの陰茎がたちまち活力を取り戻す。まるで魔法のように不可思議な光景に、升田は目を見張った。
「ああっ、瑞希さん……」
「今度はバックから頼むわ。あたしはあんたの彼女なんだから、いくらハメられても孕まされても大丈夫よ。ガンガン突きまくってね」
 瑞希は肉づきの薄い尻を振って升田を誘う。升田は低い笑い声をあげると、少女の臀部をつかんで二度目の交合を開始した。


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